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日本の運命 暗黒の30年がやってくる
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経済・金融
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第三章 自民党に呆れ、民主党に絶望した

『日本の運命 暗黒の30年がやってくる』
[著]浅井隆 [発行]PHP研究所


読了目安時間:23分
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民主主義は最悪の政治形態だ。今まで存在したいかなる政治形態よりマシであるが

ウィンストン・チャーチル



民主主義を疑え



 第二章の最後で「日本の政治は末期的症状」だと私は言った。自民党時代もひどかったが、それでもなんとか手遅れ寸前というところで踏みとどまっていた。だが、民主党に政権が移って、一気に病状が悪い方へ加速してしまった。


 本章では日本の政治にスポットをあてて、そのハチャメチャぶりがいかほどのものか、じっくり見ていく。おそらく、「これでは日本が沈没するのも当然だ」「これで沈没しない方がおかしい」と思わざるを得ないはずだ。



 現在の日本の政治に言及する前に、歴史的な話をしておく。

「歴史は繰り返す」と言う。そして「歴史こそ最大の教訓」とも言う。世界最大のベストセラーともいうべき『聖書』には、「かつて起きたことは、これからも必ず起こる」と意味深長に書かれている。


 今から二千年以上も前の古代ギリシャでは、すでに現在の日本の状況が予言されている。「衆愚政治」である。衆愚政治とは、愚かな国民が愚かな政治家を選び、愚かな政治が行われることをいう。辞書を引くと「多数の愚民による政治の意で、民主政治の蔑称」とある。「おや?」と思う方もいるだろう。そう、「民主政治の蔑称」という表現だ。これはどういうことか。


 それを知るには、民主政治の親である民主主義をきちんと理解するのが近道だ。まずは「民主主義とは何か」というところから話を始めたい。


 日本では当たり前のように、民主主義こそ最高の統治形態だと思われている。なるほど、為政者を選ぶ選挙権をはじめ、国民はさまざまな権利を持ち、私的財産の所有も許されている。全国民が自らの意志で国を治める──王や貴族など一部の特権階級が思いのままに政治を支配する専制政治と比べ、これほど理想的な統治形態はないだろう。


 世界に目を移しても、一九八〇年代後半以降、ソ連などの社会主義国家、実態は独裁的国家が次々と崩壊するなか、民主主義は地球上最高の統治形態として不動の地位を築いているかに見える。


 しかし、民主主義が最高の統治形態という構図は、実は単なる思い込みではないかと私は考えている。戦前のような軍国主義などは論外だが、今の日本を見ていると、民主主義が包含する問題点やその限界について、きちんと議論もせずに、つまり思考が停止した状態で「民主主義万歳!」と繰り返しているだけのように感じてしまうのだ。


独裁制は悪であるのか?



 例えば、中国の長い歴史のなかに民主主義は存在しない。秦の始皇帝、元のチンギスハーンなど、圧倒的な権力を持つ皇帝が国を支配するという構図でずっときている。今の時代、皇帝はいないが、それでも共産党の一党独裁体制という構図は、それまでの体制と似たようなものだ。次章で紹介するシンガポールも事実上の一党独裁である。


 ネットで調べてもらえればわかるが、民主主義を敷いていない国は、実は結構ある。いずれにせよ、人類の長い歴史のなかで民主主義はいかに生まれ、いかに育まれていったのか、我々はそういったこともきちんと理解すべきである。


 ここで古代ギリシャに話は戻っていく。民主主義は古代ギリシャで生まれた。しかし、古代ギリシャにおいて民主主義は最高の統治形態とは考えられてはいなかった。古代ギリシャ最大の哲学者・アリストテレスなどはそう考えていた代表格である。


 なぜか? 答えは簡単だ。民主主義においては往々にして愚かな大衆が、愚かな指導者を選びバラマキを要求し、指導者は愚かであるがゆえに保身に走り、愚かな要求に応えようとするからである。


 多数の愚民による政治──そう、衆愚政治だ。

「衆愚政治=民主政治の蔑称」とあるのはこういうことだ(ちなみに、歴史上、初の衆愚政治に陥ったのは、衆愚政治の存在を予見した古代ギリシャの都市国家・アテナイだといわれている。民主主義発祥の地で初の衆愚政治がなされたという事実は、なんとも悲劇的だ)


 では、古代ギリシャの人々はどのような統治形態が理想だと考えていたのだろうか。それは「哲人政治」である。哲人とは、辞書を引くと「見識高く道理に通じた人」とあるが、要するにカリスマ性を持った、とてつもなく優秀な指導者の独裁のもとで国が統治されるのが理想とされたのだ。

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