「私達はみな平等です。そして宇宙とは、私達のお互い同士の関係です。宇宙はただ一種類の実体からできていて、その一つひとつが生命を持ち、一つひとつが自分の存在の仕方を自分で決めています」
以上のことさえわかれば、誰でもこの本を理解できるのはもちろん、自分で本を書くこともできるでしょう。私のこれからの話はすべて、この最初の文章に基づいています。ですから、途中でわからなくなったら、まずこの最初の文章に戻り、自分でじっくり考えてみて下さい。
この宇宙はそれが何であるかはともかく、ただ一種類のものからできています。それが何かは、実は定義できません。それに、ここではせんさくする必要もないのです。宇宙には一種類のものしか存在しないと仮定すると、はたしてこの世界をうまく説明できるのかどうかを見てゆくのが、この本の目的なのです。
一つひとつの生きものの基本的な営みは、拡張することと収縮することです。広がることと縮むこと、といってもよいでしょう。拡張した生き物は「スペース」となって四方に浸透してゆきます。収縮した生き物は濃縮し、「かたまり」になります。私達は個人としてもグループとしても、「スペース」「エネルギー」「かたまり」のうちのどれかになって見えます。そしてそれは、私達が自分で選んだ拡張と収縮の割合によって決まってきます。また、その時にどんなバイブレーション(振動波)を私達が出しているかによっても決まってくるのです。それぞれの生き物は自らのバイブレーションを、自分でコントロールしているのです。
完全に拡張した生き物は「スペース」、つまり空間状態となります。拡張しているとどこにでも浸透できますから、私達は他の拡張している生き物と同じスペースに存在することができます。実際、宇宙にあるすべてのものが一つのスペースになることも可能なのです。
この広がりを私達は意識の広がり、理解の深化、あるいは魂の広がり等として体験しますが、その体験をどう呼ぶかは、各人の自由です。完全に広がりきった時、私達は完全な意識の拡大、つまり、すべてのものと一体となった感覚を体験します。そのレベルに達すると、他のどんなバイブレーションにも、他の個体のどのような行動にも、まったく抵抗しなくなります。時間を超えた至福感、意識や知覚、感覚の無限の広がりを味わうのです。
この状態を「スペース」と表現しますが、このスペースは私達の誰もが到達できる体験です。