読みたいトコだけ買える本。
犬耳書店
初めての方へ 記事一覧 無料登録 ログイン
0
-2
kiji
0
0
1222233
0
定年後。こう考えればラクになる
2
0
0
0
0
0
0
生き方・教養
お気に入りとは?

お気に入りボタンを押すとお気に入りリストにこのページが追加されます。興味のあるページ・気になったページを後から確認するのに便利です。

お気に入り お気に入り
16 「愛国心ごっこ」はいらない

『定年後。こう考えればラクになる』
[著]江坂彰 [発行]PHP研究所


読了目安時間:9分
この記事が役に立った
0
| |
文字サイズ


 よく晴れた夏の暑い日に、戦争が終わった。


 京のはずれの長岡生まれの男が、小学四年のときである。お寺の(けい)(だい)に集まった村人たちと、陛下のお言葉に耳を傾けたが、ラジオはザアザア雑音を立て、よく聞こえない。インテリの住職が「戦争が終わった。日本が負けた」とポツンと(つぶや)いた。村人たちもうなずく。


 戦争に負けたくやしさも、これで命が助かったという(あん)()(かん)もなかった。みんな静かにいさぎよく、切ない事実を受けとめていたように思う。「なにをバカな」と怒鳴ったのは退役軍人だけ。大阪大空襲の翌朝、はるか西の空が真っ赤に燃えていた。もう一方的に殴られっぱなし。そのとき、大人たちはたぶん日本の敗戦を受け入れる覚悟ができていたようだ。


 男の気持ちは複雑。かなり早熟だった男は、まわりの気配で戦争の行方(ゆくえ)がわかっていた。


 遊び仲間に貧しい工員の子どもがいた。その子どもがうっかり「もうすぐ戦争が終わる。日本が負けて……」と口をすべらせた。この大噓つきと、一部の生徒に押し倒された。「だって、うちの父ちゃんが言っていた。

この記事は役に立ちましたか?

役に立った
0
残り:4010文字/本文:4485文字
この記事を買った人はこれも買っています
      この記事を収録している本
      この本で最も売れている記事
      レビューを書くレビューを書く

      レビューを書いてポイントゲット!【詳細はこちら】

      この本の目次