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説得の科学
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生き方・教養
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はじめに

『説得の科学』
[著]安本美典 [発行]PHP研究所


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 一九九五年三月に、日本を(しん)(かん)させる事件がおきた。オウム真理教による地下鉄サリン事件である。


 私たちは、しばしば、自分の妻や子でさえ、思うとおりには、動かせない。


 会社では、役職にある。部下は、会社から給与をもらっている。部下を動かす権限は、あなたに与えられている。それでさえ、部下からの献身的な努力が期待できるとはかぎらない。


 ところが、オウム真理教では、信徒は、みずから財産をなげだし、教祖にしたがい、犯罪的な行為にまで走る。それも、かなりな教養も分別も、もっていそうな人たちがである。


 何が、どうなっているのだろう。


 妻や子や、部下が、あんなに献身的に自分のために動いてくれたら、と思った人はいたはずである。じつは、私もそう思った一人である。


 説得の方法と、マインドコントロールの方法とは、どこが違うのか。


 具体的な方法じたいには、共通の部分が、かなりある。


 それは、マインドコントロールの方法が、心理学が開発した説得の方法などを、積極的に、組織的、系統的にとりいれているからである。


 オウム真理教事件は、宗教が開発してきた説得の方法に、心理学的方法を加え、総合的に、極端な形で人間に適用したならば、どのようなマインドコントロールや洗脳ができるかの、具体的な見本市になっている。


 正しい説得と、マインドコントロールとは、もちろん異なる。


 厳然たる区別の一線は、引きにくいけれども、正しい説得とマインドコントロールとでは、目的と、用いる手段とが異なる。


 すなわち、まず、目的においては、


 「正しい説得では、自分も幸せになり、相手も幸せになることを目ざす。自分の幸せのために、相手が不幸になってもかまわない、とにかく説得して、こちらに、相手を従わせる、というのは、マインドコントロールに近くなる」


 また、手段においては、


 「正しい説得では、そこに用いられる手段・方法において、おのずから、常識的に許される一定の限界がある。目的のためには、手段をえらばない、ということになると、マインドコントロールに近くなる。目的は、手段を正当化しない」


 私たちは、人を「説得」する技術を身につける必要がある。しかし、ためにする説得や、ウソ情報などに「説得」されない、つまり、だまされない力も、もつ必要がある。


 それが、この本を書いた意図である。


 この本の刊行にあたっては、PHP研究所の金田幸康氏、荒田真理子さんに大変お世話になった。記して厚く御礼申しあげる。



 一九九七年一月十五日

安本美典 

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