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宇宙一わかりやすい 相対性理論 図解イラスト超入門
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光速はどんなことがあっても変わらない

『宇宙一わかりやすい 相対性理論 図解イラスト超入門』
[著]小谷太郎 [発行]すばる舎


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宇宙船の速度が光速に近づくと、宇宙船の長さが縮み、時間が遅れ、質量が増えるなど、一見奇妙な現象がさまざま起きます。こうした現象は「特殊相対論」という理論で説明されます。あまりに奇妙なので、相対論の解説書の中には、特殊相対論だけをあつかうものも多いくらいです。しかし本書では、これが全然奇妙ではなくむしろあたりまえであることを、この1章だけでさらっと説明しちゃいます。


Q
ふたごの妹「銀河鉄道はすごく静かだね。外を見ないと走ってるのがわからない」
ふたごの姉「でもこうして鏡を見ると、外を見なくても、動いてるかどうかわかるんだよ」
妹「車内で化粧していると、いやがる人もいるよ」
姉「あらまぁすいませんね。相対論の伝統的な解説では、鏡を使うことになってるのよ」
妹「どうして外を見ないで、列車が動いているかどうかわかるの?」
姉「鏡を見るときには、光が鏡から目に届くでしょ。光速に近い列車の中だと、目は列車とともに進んでいくから、光が目に追いついて姿が見えるまで時間がよけいにかかるわけ」
妹「つまり鏡に自分が映るまでの時間から列車の速度がわかって、ついに姿が映らなくなったら光速というわけね。って、それホントかぁ?」
さて、姉のいうことは正しいでしょうか。ただし、銀河鉄道が採用しているかもしれない超光速駆動やワープ航法などの未知の技術の影響は考えないものとします。


A
姉のいうことはなんだかおかしいですね。銀河鉄道が(光速未満の)どんな速度で走っても、鏡に乗客の姿が映らなくなることはありません。乗客は外を見なければ、走っているかどうか知ることはできません。

解説
さていささか唐突に、銀河鉄道にふたごが乗っているというシチュエーションで話が始まりました。相対論の効果は日常生活に現れることはほとんどなく、光速に近い速度の列車にふたごが乗るような非日常的な状況でもないと、なかなか体感できません。
しかしここでまず知ってもらいたいことは、光速に近い列車内のような非日常的な空間でも、案外私たちの常識が通用するということです。
もし姉の主張が本当なら、銀河鉄道が速度を上げると、鏡の映り方がおかしくなるばかりでなく、ほかにも非常識な現象が起きまくり、車内は混乱におちいります。
たとえば、もし姉のいうことを信じるなら、列車の速度が上がるにつれ、うしろの座席の妹から前の席の姉の目に光が届くのによけいに時間がかかります。すると姉にはちょっと過去の妹が見えます。
妹がいたずらして姉の鏡をとりあげても、姉はそれが見えません。不意に鏡が消え失せ、しばらくしてから鏡をとりあげる妹の姿を見ることになります。銀河鉄道の車内でバレーボールやテニスが行われたら、後部チームの圧勝でしょう。
これではあたかも、車内が異なる物理法則に支配されているかのようです。
現実には、銀河鉄道であろうと山手線であろうと、加速も減速もせずに一定速度で走っているなら、車内の様子に変わりはありません。鏡は誰の姿をも平等に映し出し、車内に迷い込んだ虫は自在に飛び回り、元気をもてあまして飛び跳ねる幼児はその場に着地します。その場から一瞬のうちに何十メートルも飛んで親を(きよう)(がく)させることはありません。
パズルの答えをまとめると、次のようになります。
(1) 列車が止まっているときも一定速度で動いているときも、車内の様子は変わらず、同じ物理法則が成り立つ。つまり、鏡に姿が映らなくなったりしない。
(2) 外と見くらべないと、列車が動いているかどうか知ることはできない。つまり、車内で鏡を見るだけではわからない。
(3) どんな速度の観測者にとっても光速は変わらない。つまり、列車がどんな速度でも鏡に姿が映る。
じつは、以上がアルバート・アインシュタイン(1879〜1955)の考えた特殊相対論の本質です。この3項目は、車内で鏡に姿が映るということをいいかえただけで、本質的に同じです。
(特殊)相対論は「列車が止まっているときも一定速度で動いているときも、車内の様子は変わらず、外と見くらべないと動いているかどうか知ることはできない」という原理に基づいて、車内や車外の現象を予想します。
「くらべないと運動がわからない」ことを難しいことばで「運動が『相対的』である」といいます。そこでこの原理は「相対性原理」と呼ばれ、そこから導かれる理論は「相対性理論」あるいは「相対論」といいます。
相対論の出発点はじつにあたりまえの主張です。この「列車が止まっていても一定速度で動いていても、車内の様子は変わらない」というあたりまえの主張から、長さが縮み、時間が遅れ、質量が増えるなど、一見奇妙な現象がつぎつぎ導かれるのです。

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