Q
ダン部長はためらいながらいった。「九ヵ月ほど前、琴座と白鳥座の間あたりに、なんとも異様な、想像を絶する物体が、突然出現した……」
「琴座と白鳥座の間……ですか」彼は宙に目をはせ、「距離は?」
「五・八光年弱……きわめて近い」
『虚無回廊』(小松左京、1987、徳間書店)には、異星の超技術によって建造されたと思われる巨大な宇宙建築が登場します。この「長さ2光年、直径1.2光年の茶筒みたいな物体」は地球から5.8光年という近所に「突然出現」し、「またふっと消えちまい」ます。
こんなことが起きたら、地球人はどこに驚かなくてはならないでしょうか。