【1章】
(1) 列車が止まっているときも一定速度で動いているときも、車内の様子は変わらず、同じ物理法則が成り立つ。つまり、鏡に姿が映らなくなったりしない。
(2) 外と見くらべないと、列車が動いているかどうか知ることはできない。つまり、車内で鏡を見るだけではわからない。
(3) どんな速度の観測者にとっても光速は変わらない。つまり、列車がどんな速度でも鏡に姿が映る。
(4) どんなに加速しても光速は超えられない。
(5) 動く時計は遅れる。つまり、車内の時間はゆっくり進む。
(6) 車内の人にとっては、ホームこそ動いている。つまり、ホームの時間こそゆっくり進む。
(7) 超光速の乗り物はタイム・マシンになる。超光速通信は過去に信号を送れる。
(8) 動く物体の質量は増える。
【2章】
(9) (相対論を抜きにしても)動く物体はねじれて見える。
(10) 巨大な物体に瞬間的な変化は起きない。大きさ1光年なら変化に1年はかかる。
(11) (相対論を抜きにしても)遠ざかる物体は遅く見え、近づく物体は速く見える。
(12) 動く物体はローレンツ収縮する。しかし動く物体は縮むよりは回転して見える。
【3章】
(13) 二次元空間の丸くふくらんだ部分の曲率は正。つまり、そこでは円周が2π×半径より短い。
(14) 球面上はどこでも曲率が正の一定値。
(15) 二次元空間の平らな部分の曲率は0。つまり、そこでは円周が2π×半径に等しい。
(16) 平面はどこでも曲率が0。
(17) 二次元空間の「馬の鞍」形の部分の曲率は負。つまり、そこでは円周が2π×半径より長い。
(18) 双曲面上はどこでも曲率が負の一定値。
(19) 三次元空間で球面の面積が4π×半径×半径に等しければ、そこの曲率は0。狭ければ、そこの曲率は正。広ければ、そこの曲率は負。
【4章】
(20) 物体は、時間が速い場所からゆっくりな場所へひきよせる重力を受ける。
(21) 物体は重力の影響を受けると、物体の経過時間がもっとも長くなるような道のりをたどる。重力にしたがった物体は他の道のりをたどった物体にくらべ、より歳をとっている。
(22) 質量は周囲の空間をゆがめ、曲率を正にする。
(23) 質量の近くでは時間が遅くなり、重力が生じる。
(24) 時間がゆっくりな場所、つまり重力の「下方」から届く光は振動数が低くなる。
【5章】
(25) 太陽質量のブラック・ホールの潮汐力は致命的。
(26) 太陽質量のブラック・ホールの約10キロメートル以内では、安定な周回軌道はない。
(27) 角運動量の大きい物体はブラック・ホールに吸い込まれない。つまり、物体はブラック・ホールにまっすぐ向かわないと吸い込まれない。
(28) ブラック・ホールから物が出てきても、重力の法則には反しない。
(29) 落下する物体がシュヴァルツシルト半径に到達するまで、外の観測者にとっては無限の時間がかかる。
【6章】
(30) 高速の宇宙船内か、強重力源の近くですごせば、未来へ時間旅行ができる。
(31) 閉じた時間的曲線が存在すれば、タイム・マシンが実現可能。
【7章】
(32) この宇宙の曲率の観測値はほぼ0。つまり宇宙は平ら。
(33) この宇宙は膨張している。
(34) この宇宙はビッグ・バン以来137億年間、ほぼ一定の速度で膨張してきた。
(35) 銀河はやがて巨大ブラック・ホールに変わる。
(36) ブラック・ホールはやがて蒸発する。宇宙にはわずかな光と粒子しか残らない。
(37) 宇宙に最期はこない。永遠に膨張を続ける。