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為替デリバティブ取引のトリック
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第一章 優良中小企業が倒産の危機に

『為替デリバティブ取引のトリック』
[著]佐藤哲寛 [発行]PHP研究所


読了目安時間:16分
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銀行員も知らない「トップシークレット」


 マスコミ報道で騒がれている為替デリバティブ取引。銀行と契約した為替デリバティブ取引で多くの中小企業が倒産の危機に(ひん)している、というのです。

 為替デリバティブ取引のなかでも、「通貨オプション取引」や「クーポンスワップ取引」と呼ばれる取引が、ここで問題となっている契約です。また、なかには契約期間が十年近い「長期為替予約」と呼ばれるデリバティブ取引も含まれています。

 これらの契約によって数万社の中小企業に甚大な為替差損が生じています。しかも意外と知られていませんが、これらの中小企業は少なくとも二年前までは「優良企業」と呼ばれる、業績堅調で財務内容の良い会社だったのです。

 そういった会社がわずか二年ほどの間に倒産の危機に瀕している──これが今回の問題の最大のポイントです。潰れそうな会社がいよいよ潰れる、といった話とは訳が違うのです。

 そしてこの話は、さらに大きな問題へと発展しそうな(きざ)しが見えてきました。その兆しを一部の銀行が必死になって覆い隠そうと躍起になっています。金融庁もそういった銀行の動きを陰ながら支援するかのような動きを見せています。

 その問題とは、「銀行版過払い金請求事件」です。消費者金融トップの武富士を倒産に追い込んだ過払い利息返還請求の事件が、形を変えて銀行を襲うことになるかもしれないのです。

 実際に、ADR(裁判外紛争処理手続)の場で、為替デリバティブ取引によって発生した損害の大半を銀行が負担すべきというあっせん案が提示され、そのあっせん案を銀行は密かに受け容れています。

 なぜ、このような不利益なあっせん案を銀行は受け容れるのか。それは自らの(あやま)ちに気づいているからです。

 このような動きが実際に起こっていることを、当の銀行員の大半は知らされていません。銀行内の一部の幹部だけが知っている「トップシークレット」です。

 しかし私は、その事実を克明に知っています。

どの銀行も同じような商品


 事業再生のコンサルティングをしている私が、為替デリバティブ取引に関する相談を初めて受けたのは、およそ一年前です。

 かつて大企業の財務部でリスクヘッジ手段としてのデリバティブのディーリングに携わり、市場リスクのマネジメント業務に従事した経験から、すぐに「この為替デリバティブ取引はリスクヘッジになっていない」ことに気づきました。

 二件目、三件目の相談はそれぞれ別の銀行の契約でしたが、みな同じような契約条件だったので、正直、驚きました。極めて特殊な条件のデリバティブ契約を、なぜ銀行は同じように売っているのか。

 デリバティブ取引というものは、いろいろな形に加工したり、組み合わせたりすることが簡単にできます。また、顧客のニーズに合わせた形にアレンジされるのがデリバティブ取引の一般的な姿です。

 デリバティブ取引の大半は、金融機関同士、または金融機関と事業会社の間で相対(あいたい)で行われており、定型的なパターンというものがありません。
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