◆人の一生に与えられた時間は短い
繰り返しますが、人は精神的な生き物です。
心のあり方が健全であることが、あらゆる状況において、あなたが最初に願うべきもっとも大切なことであり、あなたが常に意識を傾けて維持するべき、失ってはならない状態なのです。
心の状態が健全でなければ、人は何をやっていても幸福であると感じられないからです。
ですから、イヤなこと、受け入れたくない事実に対して、過剰に反応するのはやめましょう。
彼が浮気をしたなら、泣いてもいいですが、泣き続けてはいけません。親しい友が突然事故で死んでしまっても、なんで? どうして? と、答えの出ない問いに思いを奪われてはいけません。
人生とは、すぐに答えが出ないことの連続です。
わからないことは、わからないままにしておくのです。
自分のしでかした取り返しのつかない失敗を思い、自分を責め続けるのもやめなさい。失敗は教訓にすればいいだけです。
ショックは最初だけで十分です。
変わらない過去に思いを留めて後悔し続け、悲嘆に暮れるよりも、事実をただ認識し、あとは淡々とできることをやればいいのです。
与えられた時間の中で「何をするか」が人生を決めてしまいます。
変えられない過去が原因で思い悩んでいる時間は、あなたの心の健康を奪い去り、未来にも暗い影を落としてしまいます。まったく益がありません。
そこにあるのは思い煩う心です。これほど人を不幸にする負の力はありません。
過去について、あれこれと思い煩うのはまったく理にかなっていないことです。
人生の悲劇は、最悪なことが起こることではありません。
その事実を認められないことです。
しかし、あなたが過去を正しく受けとめる術を身につけるなら、生きている間に起こるすべてのイヤな出来事を、あなたは必ず力強く乗り越えていくことができます。どんな悲劇も、悲劇で終わらない人生を、あなたは満喫できるのです。
◆置き去りにして、どんどん先へ行こう
さあ、今この瞬間から、その栄えある人生をスタートさせてください。
冒頭で言ったように、あなたは自由人です。
あなたは、過去という情報によって支配される必要はありません。その情報にどう反応するかを決めるのは、そう、あなたなのです。
ですから、今決めるのです。過去の奴隷となって生きることをやめると。
納得のいかないことが起こったとき、望ましくない過去があるとき、苦しんで当然であるという考え方を捨てるのです。あなたは情報の奴隷ではないのですから。
抵抗するのをやめるのです。
過去に抵抗することは、未来を築く力にはなりません。
事実を認識しなさい。それ以上のことはムダなことです。
ジタバタしないで、
「これは起こってしまったこと。ジタバタしても変えられない」
とクールに自分に言うのです。
大事なことは、これから何をすべきかです。
これこそ、冷静に考えるべきことであって、過去はもうどうでもいいのです。
修正もできないのですから、考えたところで、意味がないじゃないですか。
だから放っておくことです。放っておいても、過去の出来事がもっと悪くなることはないのですから。安心して放っておきましょう。
イヤな過去はストーカーだと思いなさい。自分にまとわりつくことそのものが不愉快です。だから拒否するのです。過去というストーカーに振り回される人生に、今日終止符を打ちましょう。
それをするのに110番通報もいりません。誰に相談する必要もありません。
今その場所で、あなた個人が、心で決めるだけでいいのです。
思い出してください。自由意志はあなたのものです。
あなたは行動を自分で決めているのです。
過去という情報について、どう応答するか、あなたが決めるのです。
支配されることを拒否するのです。ストーカーを拒否するのです。