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(2021/11/26 追記)

犬耳書店の作品をRenta!に順次移行します。
詳しくはこちらでご確認いただきますよう、よろしくお願い申し上げます。

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わかりやすく説明・説得する技術
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1 説得とは「説き伏せる」ことではない

『わかりやすく説明・説得する技術』
[著]小野一之 [発行]すばる舎


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相手が納得してくれなければ、本当の理解は得られない。
説得とは、“納得”を得ることだということを、まず知っておこう。


○――「わかっているだろう」では説得できない

 「以心伝心」という言葉がある。「多くの言葉を費やさなくても、気持ちが通じ合える。心と心でわかり合える」ということである。これはある意味で、理想のコミュニケーションのあり方だろう。

 しかしこの言葉は、いま通用するだろうか。

 この言葉は、現在よりも人々の関係が密で、価値観にも大きなへだたりがなかった時代だからこそ、通用したともいえる。

 現在は、インターネットや携帯電話をはじめ、コミュニケーションの方法こそ多様化しているが、隣の人が何をしているかわからない時代だ。また、価値観も多種多様である。

 こうした時代に、「何も言わなくても心でわかる」といったことは、なかなかむずかしい。きちんと「説明」し、「説得」する必要があるのだ。

 そもそも人はそれぞれ考え方も価値観も違うものである。この価値観をぶつけ合ってこそ、新しいものも生まれる。同じ考えの者同士が集まっても、新しいものは生まれない。むしろ異なった意見のすり合わせから何かが生まれるのだ。

 いま私は「すり合わせ」と言った。友人でも夫婦でもそうだが、価値観はぶつけ合っているだけではお互いが疲れてしまう。これはビジネスも同じである。上司や部下の意見をどう汲み取れるか――それが説得の前提でもある。
○――人の話をどこまできちんと聞けるか

 そう考えてくると、説得の基本は「相手の話を聞く」ことであることがわかる。

 実際、「話し上手は聞き上手」ともいわれる。誰かと話しているとき、相手が弁舌爽やかで、時にはこちらの発言をさえぎるようなことがあった場合、あなたは相手の説明を心から聞くだろうか。

 実は私は根がせっかちである。だからサラリーマン時代に管理職をしていたときには、部下からの意見や報告に対して、

 「要するになんだ?」

 と結論をすぐに求める悪い癖があった。

 当時私は部長職だったので、「ある程度」自分の意見が通った。私は知らず知らずのうちに傲慢になっていたのかもしれない。

 しかしこれでは部下も距離を置く。ホンネを話してくれない。必然的に、こちらの説得にも「聞いているふり」はするが本当には納得していない。

 こういうことでは部下と上司の良好なコミュニケーションは築けない。

 その後、私は組織を抜けてフリーの立場になった。こうなると過去の肩書などほとんど役に立たない。

 このとき思ったのは、「人間、自分一人では何もできない」ということだ。自分は他人の協力がなくては何もできない――と思おうとした。というのは私自身、何でも「オレがオレが……」というタイプだけに、たとえ人の協力を仰いだとしても、その仕事に納得できずに協力関係が壊れることがあったからだ。

 組織の中で仕事をしているときは、まだそれでも何とかなった。しかし独立して小さいながらも自分で会社を経営し、いろいろな立場の人と付き合っていかなくてはならなくなると、いやでも人の協力を得なければならない。そうでないと仕事が進まないのだ。

 「仕事のできる人は、人の力の借り方がうまい」と言った人がいる。まさに至言だと思う。私はまだそこまで達していないかもしれないが、少なくとも何人かの人が力を貸してくれている。みんな大切な人ばかりだ。

 そういう人たちとの付き合いのなかで、自分自身の説得力もついてきたのだと思う。
○――説得力は、熱意に比例する

 とはいえ、「説得」はそう簡単なものではない。「3分でYESと言わせる説得術」とか、「こうすれば絶対にYESと言う説得術」といった書籍や雑誌記事を見かけることがある。なるほど、それなりに役に立つことが書かれている。

 しかしいきなり水をかけるようなことを言って恐縮だが、説得とはそんなに簡単にいくものではないはずである。

 テクニックで人を動かせると思っている人ほど、口先ばかりで実際は説得が下手だ。相手はたしかに「YES」と言っているかもしれないが、心の底からは納得していない。だから、いつか心が離れていく。最初は表面的に承諾しても、そのうち次第に離れていくのである。

 「説得とは体で行なうものだ」と言った営業マンがいる。

 つまり、何とかしてこの思いや気持ちを伝えたい、という熱意が相手の心を動かすのだ

 営業でなくても同じである。たとえばプレゼンテーションをする場合、たとえば上司に企画を通す場合……どんなときでも「私はこう思っているのです!」という強い思いがないと、相手は動かない。

 やや根性論のようだが、あなたが誰かから説明を受けたり説得されるときのことを想像してみればわかると思う。言いたいこともはっきりせず、熱意も感じられない人の説得や説明を聞こうという気になるだろうか。

 たとえば二人の営業マンが、同じ値段で同じ商品を売りに来たとしよう。あなたは必ず「熱意と誠意」のあるほうから買うはずだ。

 ただしこの「熱意と誠意」は、自然とにじみ出るものでなければならない。そうでなければ逆に胡散臭さを感じさせてしまうだけだ。そういう「暑苦しい」人間が、周囲にいないだろうか。


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