この10年でアフリカは大きな変貌を遂げたといっていい。かつて内戦による荒廃と巨額の債務に苦しんでいただけの「貧しき大陸」は、過去の話となりつつある。
リーマンショック以降、経済を立て直せない欧米諸国と、成長率に陰りが見えはじめたアジア諸国(とりわけ中国)を尻目に、いまアフリカは、その有り余る資源を武器に加速度的に成長しはじめている。
もうひとつ、アフリカの人口10億人のうち、その6割は若い世代が占めるという豊富な人材も、高齢化時代を迎えている先進国にとって、大きな魅力として注目されている。
世界各国は、この「富が眠る大陸」に吸い寄せられるように、経済関係を強化しようと躍起になっている。世界経済の趨勢を考えるうえで、もはやアフリカは無視できない地域なのだ。
本書では、アフリカ54か国すべての経済、政治情勢を中心に紹介している。すべての国を俯瞰することで、日本がこれからどのようにアフリカ諸国と関わっていけばよいのか、そのヒントになれば幸いである。
まずは、世界中からマネーを呼び寄せているアフリカのエネルギーを感じとってほしい。