●依然として魅力を放つ地下資源
1994年にアパルトヘイト(人種隔離政策)を完全撤廃して以降、国際社会が科していた経済制裁が解かれた。これを機に、南アフリカは急激な発展を遂げた。サハラ砂漠以南のサブサハラ地域において、南アフリカの総生産高は約3割を占めるほどの成長ぶりである。
ほかのアフリカ諸国に共通して、豊かな大地を利用した農業生産や鉱業資源が世界各国の投資を呼び込んだ。だが、南アフリカがほかの資源国と異なるのは、産業の掘り起こしにも成功を収めている点だろう。
保険や金融といったサービス業が産業の大きな割合を占めるようになっており、かつての南アフリカ経済を牽引した農業は、GDPの2・7%、鉱業が32・9%であるのに対して、サービス業は66・4%と第三次産業が伸長している。