この項目を書く前に、私は夫に「事実婚のデメリットは?」と聞いてみました。夫は「うーん」と言って、しばし考えていましたが、結局何も答えはありませんでした。このように、普段デメリットを感じるということはなかなかあるものではありません。しかしながら、特に経済的デメリットということでは幾つか挙げることができます。
(1)配偶者の相続人になれない
これはかなりのデメリットです。例えば私も夫と自宅不動産を共有していますので、二人とも遺言書を書いて、どちらが死んでも互いに遺贈する形にはしています。もし、遺言書が無ければ私達の場合は子どもに相続されますが、子どもがいない夫婦だと、親や、親もいなければ兄弟姉妹に相続されてしまいます。
(2)相続財産が大きい場合、相続税の面で非常に大きな経済的デメリットがある
相続税が課されない控除分について、法律婚をした配偶者は1億6,000万円の控除が認められています。また一方で配偶者の法定相続分までは課税されないという規定もあります。例えば、相続人が配偶者と子一人ですと、法定相続分は2分の1になりますので、相続財産が4億円ですと、配偶者の法定相続分は2億円になります。