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会社人生、五十路の壁 サラリーマンの分岐点
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ビジネス
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『会社人生、五十路の壁 サラリーマンの分岐点』
[著]江上剛 [発行]PHP研究所


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 ()()()の壁とは?



 五十路の壁とは、五〇代にぶつかる人生の壁のことだ。これは確かにある。


 私自身、四九歳で旧第一勧業銀行(現・みずほ銀行)を退職した。


 退職理由はいろいろ挙げることができるが、第一の理由は「噓つき」になりたくなかったのだ。


 私は、それまで銀行内で順調に昇進していた。経営トップの言うことに素直に従っていれば、確実に役員になれるという親切なアドバイスをしてくれる先輩行員もいた。しかし当時の経営方針に賛成できなかった私は、このまま銀行にしがみ付いていたら、「噓つき」になると思った。それがものすごく嫌だった。


 目出たく役員になれたとしてもさらに高みを望むなら、従いたくない方針に従い、取引先や部下に心にもないことを言い、迷惑をかけなければならないだろう。


 そんな生活から解放されたい! そう思った瞬間、辞表を提出していた。


 それからは波乱万丈だった。


 作家、コメンテーターとしてなんとかやっていたと思ったら、急に暗転。日本振興銀行の社長として日本初のペイオフ(金融機関が経営破綻した場合、預金者の元本と利息を一〇〇〇万円を上限として保護すること)による破綻処理を担うことになり、その挙句、長い裁判を戦う羽目になった。負ければ破産だ。うつ病寸前で自殺願望に(とら)われたこともある。しかしマラソンに出会って、その危機を乗り越えることができた。


五十路の壁は突如現れる


 今、五〇代を振り返ってみて、「きつい壁だったなぁ」とつくづく思う。よく乗り越えられたな、と自分自身で感心するほどだ。


 五十路の壁は、突如、目の前に立ちはだかる。


 恐ろしいことにそれは、それまでまったく見えなかった壁だ。よじ登ってこようとする者を完膚なきまで排除するほど、高くそびえ立っている。どこを探しても手や足をかけるところがない。


 孔子は、五〇代は「天命」を知る年代だと言ったが、そんな悟りの境地に達するためには、その壁を、もがき苦しみ、()()()を吐きながらも乗り越えなければならない。


 五〇代になれば、誰でも体力、気力の(おとろ)えを自覚するようになる。まだまだ元気と言っている人も無理をしているだけの場合が多い。家庭のある人は住宅ローンの返済が終わらないのに子どもの学費が(かさ)み、経済的にも負担が大きくなる。会社では、バブル採用世代と言われ、ポストがなく、肩身が狭い。これまで真面目に頑張ってきたのに、どこにも自分の居場所がないことに気づく。不安で、どうしたらいいか分からない。


 それが五十路の壁が突如、立ちはだかる理由だろう。五〇代こそ迷いの年代なのだ。


 しかし、五十路の壁の前で立ちすくんでいたって何も始まらない。


 手や足をかけるところがないなら、自分で足場を作ればいい。あなたには若い人にはない経験がある。


 それはやや干からびかけているかもしれないが、壁に(あらが)った血と涙、汗がそこに加われば、セメントに水を足すと強固なコンクリートになるように、びくともしない足場になってくれる。それを一歩ずつ登っていけば、きっと壁の向こうを見渡せる高みにたどり着けるだろう。


 五〇代は、人生一〇〇年の折り返しに過ぎない。まだまだゴールじゃないんだぞ。


 本書が、五十路の壁を乗り越える一助になれば幸いである。



 平成三〇年六月吉日


 江上 剛 

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