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世界のエリートが学んでいる教養としての哲学
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ツール4 名言 相手の心を打つ「名フレーズ」

『世界のエリートが学んでいる教養としての哲学』
[著]小川仁志 [発行]PHP研究所


読了目安時間:36分
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 ツール4では、相手の心を打つ名フレーズ20個を紹介していきます。もちろん短いものはそのまま覚えていただいたほうがいいのですが、趣旨を覚えておくだけでも役に立ちます。そのために超訳も掲載しておきました。

幸福が善ならば、その最大の分量すなわち最大多数の幸福が何よりも選ばれるべき目的、道徳的善である。
(ジェレミー・ベンサム『道徳および立法の原理』) 

超訳 「幸福の量が多いほど正しい」


 ビジネスシーンでは、毎日が判断の連続です。何が正しいのか常に判断しながら、前に進んでいかなければならないのです。「こんな企画はどうだろうか?」「こんな営業の仕方はどうだろうか?」と。そんなときは、「幸福の量が多いほど正しい」という基準を用いてはいかがでしょうか。

 この名言を生み出したのは、功利主義の提唱者ベンサムです。功利主義とは、この名言にあるとおり、快楽の量を計算して、快が多ければ多いほど幸福で、その幸福を得られる人が多ければ多いほど正しい選択だとする主張です。そこで、この考えはよく「最大多数の最大幸福」として定式化されます。

 実は私たちの社会は功利主義に基づいて構築されているのです。その典型例が車社会です。車社会では必ず交通事故などの犠牲になる人が出てきます。それでも私たちは車社会を止めようとはしません。なぜなら、車を使うことで快楽を得る人が多いからです。つまり、世の中トータルで見れば、そのほうが幸福が最大化するわけです。

 この場合自分は少数者じゃないからと、安心してばかりもいられません。少数者が多数者に代わり、多数者が少数者に転落するという逆転現象はよくあります。今多数者の側にいると思っている人も、決して安心はできないのです。

 さて、そんなベンサムの「幸福の量が多いほど正しい」という名言は、私たちが物事を判断する際のわかりやすい指針になり得ます。先ほど車社会の例を挙げたように、多くの人が幸せになるには、多くの人の幸福の量を最大化することを基準にするのが一番なのです。とりわけ企業や自治体の活動の場合はそうでしょう。「どうすればできるだけたくさんの人が幸せになれるか?」ぜひそう問いかけながら、日々の仕事に取り組んでいただければと思います。

自分の身を守ろうとする君主は、よくない人間にもなれることを、習い覚える必要がある。
(マキャヴェリ『君主論』) 

超訳 「リーダーたる者、時には冷徹になる必要がある」


 どのような人がリーダーにふさわしいのでしょうか? 人望が必要なのはいうまでもありません。知識も必要でしょう。しかし、最も大事なのは、決断力です。決断力というのは、単によりよい選択ができるという話ではありません。とりわけ誰も傷つかないような場合の選択は、決断と呼ぶのにもふさわしくないくらいです。真の決断とは、誰かを傷つけることになるような、シビアなものなのです。

 そんな時、躊躇せず冷静かつ冷徹に判断のできる人こそが、リーダーの資質を備えているといっていいでしょう。なぜなら、一瞬の躊躇が集団全体の命取りになることもありうるからです。誰でも冷徹な判断には躊躇を示すものですが、それではリーダーは務まりません。

 そんな帝王学といってもいいリーダーのための哲学を論じているのが、イタリアの政治思想家マキャヴェリです。彼の著書『君主論』は、リアリズムに満ちています。「自分の身を守ろうとする君主は、よくない人間にもなれることを、習い覚える必要がある」というのは、まさにそれを物語るフレーズです。それゆえ、目的のためには手段を選ばない悪名高き権謀術数は、著者のマキャヴェリの名をとって「マキャベリズム」と呼ばれるわけです。これは強権的な政治家を揶揄する表現です。

 たしかに、食うか食われるかの状況なら、現実的な発想をするよりほかないのかもしれません。マキャヴェリが君主に冷徹さを求めるのも、慈悲深さがかえって無秩序を生み、殺戮や略奪を許すことになるからです。それなら、最小限の見せしめによって、秩序を維持したほうがましだというわけです。実際彼は、「愛されるよりも恐れられることのほうが望ましい」などといっています。

 さて、いかがでしょうか? 皆さんはリーダーになれそうでしょうか? 大切なことは、常にリーダーになれる準備をしておくことです。チャンスは突然やって来ます。その際躊躇しているようでは、そもそもリーダーの資質に欠けるということになりかねませんから。

人は女に生まれるのではない。女になるのだ。
(ボーヴォワール『第二の性』) 

超訳 「男が女性という性別をつくっている!」


 日本には、性別の違いに基づく不合理な差別がまだまだ横行しています。そこで紹介したいのが、「人は女に生まれるのではない。女になるのだ」というボーヴォワールの言葉です。

 ボーヴォワールは、女性の解放を目指したフェミニズム理論の思想家として有名です。また、哲学者サルトルとの恋人関係でも永遠に語られる存在となっています。彼らは学生時代恋に落ちて以来、生涯を共にしたものの、一度も結婚することはありませんでした。事実婚だったのです。いわばボーヴォワールは、自らのフェミニズム思想に基づき、自分自身も決して結婚というような女性を閉じ込める制度に縛られることなく、自由に生きようとしたわけです。そんな彼女の思想がよく表れているのが、フェミニズムの古典『第二の性』なのです。この本の中でボーヴォワールは、男性は女性に財産管理をさせようとしないと非難しています。

 そういう大事な部分にはタッチさせないようにして、面倒を見ようとするのです。だからお金持ちほど女性を従属させるといいます。そうして男にとって都合のいい社会をつくり上げているのです。

 彼女の真意はここにあります。女性は生まれつき女性なのではなくて、社会が女性という立場を作っているのだという鋭い指摘です。たしかに女性は「女の子らしくしなさい」といわれることで、女の子になっていくものです。

 さらにボーヴォワールは、男性に都合のいい状態を維持するため、女性はキャリアを積むのではなく、幸福な結婚を人生の目標にされてしまうと指摘します。結婚したらやめないといけない雰囲気がある会社はまだまだ多いのではないでしょうか。

 だから女性は、いつまでたっても「第二の性」に甘んじざるを得ないのです。こうした社会を変えていくためには、やはり女性の地位自体がもっと向上し、第二の性などという概念が解消される必要があります。女性が一人で生きても、不安や損のない社会にする必要があるのです。
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