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(2021/11/26 追記)

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凛とした日本人
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ルポ・エッセイ
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第四章 ネット・コミュニケーションの功罪

『凛とした日本人』
[著]金美齢 [発行]PHP研究所


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人事を尽くしてもかなわないことはある。どんなに便利な道具があっても、人間が生きていくうえでの運、不運を完全に取り除くことはできない。


台湾からの支援に「情けは人のためならず」を実感


 震災から以後の私の日常について、少し触れておこう。

 震災翌日から電話がつながるようになると、国内外から安否を確認する電話が次々かかってきて、私はその対応にかかりきりになった。
「大丈夫だからね」

 私の声を聞いた途端、「よかった」と電話の向こうで安堵してくれるのがわかる。ありがたいことだ。

 台湾のボランティア団体からも、「何か役に立つことがあれば是非」と連絡があった。

 一九九九年、台湾中部で大地震が発生した。かなりの被害が出たが、私はそのとき、日本の友人に背中を押されるかたちで募金活動をすることになった。お金を扱うのは重大な責任をともなうので最初は躊躇(ちゆうちよ)していたが、早々に現金を送ってくれる人もいた。

 当時の中国国家主席・江沢民が勿体(もつたい)をつけて「一〇万ドル援助」と声明していたので、「それ以上」と決心した。幸い多くの日本人の善意に助けられ、目標を越える約一六一〇万円が集まった。

 台湾の被災地へのアクセスが可能になってから、現地で救援活動をしていた埔里ロータリークラブとYMCAにそれぞれ二〇〇万元(約七〇〇万円)を自らの手で届け、残りは家屋の再建をしていたボランティア団体に資材購入費として寄付した。「役に立つことがあれば」と電話してきたのは、そのときのボランティアのリーダーだった。
「情けは人のためならず」である。

 ホームページ経由でたくさんのメールもいただいた。最も多かったのが、台湾からの義援金に対するお礼だった。
「台湾の方々に感謝の気持ちを伝えたいけど、どうすればいいのかもわからず、こちらに書き込みをさせていただいた次第です」
「義援金約三億円、日本と台湾との物価の差など考えると、途方もない額の義援金」

 等々だ。

 実は、台湾の官民合わせての義援金は震災発生から申し出が相次ぎ、五月上旬の時点で一六〇億円(約五七億台湾元)を超え、各国・地域の中で最多とされている。にもかかわらず、菅首相が四月十一日に米英などの七紙に感謝広告を出した際に対象とならず、四月二十日の国会で山谷えり子参議院議員が「台湾の人々は心を痛めている」と政府に苦言を呈してくれた。同様に、日本人として申し訳ないという内容のメールもたくさんいただいた。

 厳密に言えば、四月十一日に菅直人首相の名で発表された「絆 Kizuna - the bonds of friendship」という文章に、「台湾からは、地震発生直後から、28名からなる救援隊の派遣、総量約400トンの支援物資の提供、多額の義捐金の申し出などのご支援、また数多くの方々から励ましのメッセージをいただきました。台湾の皆様から示されたこのような心と心の絆に深く感謝申し上げます」という一節はある。

 また、超党派の議員連盟「日華議員懇談会」(会長・平沼赳夫たちあがれ日本代表)が四月二十一日、都内で会合を開き、大震災の慰問のため訪日した台湾の王金平立法院長(国会議長)に対し、義援金の提供や援助隊の派遣について感謝状を贈り、「いただいた好意を無にしないよう一日も早く復興を遂げたい」と謝意を表明している。王氏は「台湾各界は日本の被災をわが身のことのように感じている。復興を全力で支援したい」と答えたが、これは多くの台湾人の気持ちを伝えたものだ。

中国に配慮して台湾隊受け入れをためらった?


 ここで、台湾の救難隊が日本政府によって待機を強いられたことにも触れておきたい。これに関しても「余りにも悲しい政府の対応」といった遺憾のメールをいただいた。

 asahi.com が〈台湾の救援隊、2日待たされ到着 日本、中国側に配慮か〉との見出しで三月十四日にこう報じたのを私も嘆息しながら読んだ。
〈【台北=村上太輝夫】台湾の救援隊が14日、羽田空港に到着した。11日の地震発生直後にすでに隊員派遣の用意を表明しながら、丸二日も待機を強いられた。台湾側は「中国が要因でしょう」(外交関係者)と受け止めている。

 日本側はいったん受け入れると返答したが、その後「現場が混乱している」として待つよう要請した。だが、その間に各国から救援隊が入り、台湾メディアから「なぜ入れないのか」と疑問が出始めていた。
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