『ビジネスエリートのための!リベラルアーツ 哲学』
[著]小川仁志
[発行]すばる舎
◆情報の整理だけでは物足りない
ここで、思考することと哲学をすることの違いについて考えてみたい。思考するとは、対象についての情報を整理し、自分なりの視点でそれを再構成する営みにほかならない。
先ほどのコップとは対象を変えて、今度は「トイレとは何か?」と問われたとしよう。そうすると、私たちはまずトイレの使われ方や、トイレを構成するものなど、頭の中でトイレを想像して、情報の整理をするに違いない。そのうえで、トイレってこういうものかなという答えを出す。それで、「トイレは排泄をするための便器がある場所です」などと答えることになる。