『ビジネスエリートのための!リベラルアーツ 哲学』
[著]小川仁志
[発行]すばる舎
◆インターネット普及の功罪
インターネットはAIより一足先に、私たちの生活を激変させている。この数十年の間に、魔法の箱だったパソコンは家電並みの便利なツールになり、もはやインターネットはこの世のあらゆる問題を解決する救世主であるかのように思われている。
ところが、シリコンバレーの内部からデジタル革命を批判しているアンドリュー・キーンは、近著『インターネットは自由を奪う』の中で、インターネットを痛烈に批判している。つまり、インターネットは、問題の解決策どころか、逆に解決しなければならない重要課題だというのである。
確かに、インターネットがグーグルやFacebookのような超勝ち組を輩出する一方で、そこから搾取される多くのネットユーザーという構図を生み出してしまっているのも否定できない。