『ビジネスエリートのための!リベラルアーツ 哲学』
[著]小川仁志
[発行]すばる舎
◆人間中心か自然中心か
どんな分野にも環境という視点が求められる時代だ。エネルギー政策を考える場合はもちろんのこと、学術研究、教育、産業、ビジネス、地域活動からまちづくりまで、自然に配慮して行動するという環境倫理が求められる。
これまで環境倫理については、常に二項対立で議論されてきた。人間中心主義か自然中心主義か、生物資源を功利主義的に評価するのか生物の内在的価値を見出そうとするのか、経済学重視か生態学重視か、経済学の中でも新古典派経済学かエコロジー経済学か等々。
実に様々な角度から対立を描写することが可能なわけだが、やはり単純にいうと、人間か自然かということになると思われる。