読みたいトコだけ買える本。
犬耳書店
初めての方へ 記事一覧 無料登録 ログイン
0
-2
kiji
0
0
1227701
0
伝説のヤクザ18人
2
0
0
0
0
0
0
ルポ・エッセイ
お気に入りとは?

お気に入りボタンを押すとお気に入りリストにこのページが追加されます。興味のあるページ・気になったページを後から確認するのに便利です。

お気に入り お気に入り
第一話 ヤクザ界の共存共栄に心砕いた真の任侠

『伝説のヤクザ18人』
[著]山平重樹 [発行]イースト・プレス


読了目安時間:11分
この記事が役に立った
0
| |
文字サイズ

堀政夫(住吉連合会総裁)


覇道ではなく王道を求めて


 住吉連合会(現・住吉会)総裁の堀政夫が肝硬変のため急逝したのは平成二年十月二十五日のことで、任侠界を大きな衝撃が駆け抜けた。まだ六十五歳という若さで、およそ全国の関係者からこれほど惜しまれた死というのも、珍しかったであろう。


 ある親分は、

「巨星墜つ──まさに一つの時代が終わったという感じです。それにしても、あまりに早すぎる。本当に惜しい。とくにいまのような時代であればこそ、堀政夫という人には生きていてもらいたかった。一番、必要な人だったんですが……もう、あんな人は出ないでしょう」


 と、絞りだすような声をあげたものだ。


 三日後、東京・板橋の戸田橋斎場で行われた葬儀には、全国から名だたる親分衆、組関係者が()せ参じ、その数はざっと二万人にものぼった。近年(まれ)に見る盛大なものとなったのだった。まさに人の評価は(ひつぎ)を覆ったときに初めて定まるという格言が、そのまま当てはまるような情景であった。


 ともかく、これほど全国の親分衆、任侠人から敬愛を一身に集めた親分もいなかったのではあるまいか。私自身、身をもって経験したことだが、全国どこへ行っても、最大級の賛辞をおくる声は聞こえても、悪くいう人には出会ったことがなかった。

「あれだけの大組織のドンなのに、(おご)り高ぶったところのかけらもない人だった。カタギの人に迷惑をかけたり、他組織に気遣いさせたりすることを極力嫌って、お伴も連れずに一人で電車に乗るのを好むような人でね。任侠界の範となる親分だった。われわれは偉大な指導者、業界の至宝ともいうべき人物を失ったということです」


 堀政夫という人の(すご)みは、こうした声が、住吉会の関係者ではなく、他組織の親分衆からのものだということだ。


 皮肉なことに、いわゆる暴対法(暴力団対策法)が、暴力団新法として「検討段階に入った」と、警察庁によって発表されたのは、堀政夫の死の直後のことだった。

この記事は役に立ちましたか?

役に立った
0
残り:4306文字/本文:5135文字
この記事を買った人はこれも買っています
      この記事を収録している本
      この本で最も売れている記事
      レビューを書くレビューを書く

      レビューを書いてポイントゲット!【詳細はこちら】

      この本の目次