◆こだわりから生まれる失敗
誰にでも、ある種の“こだわり”はあります。こだわりのない人は、多分いないでしょう。けれども、それが日常のいたるところで表れてしまうのは、厄介です。
なぜなら、人生というのは、ある意味で“妥協”と“協調”の中で展開されていくものだからです。
自らのこだわりだけを押し通して“世間を渡る”ことなどできません。
近年は「こだわりぬいた」とか「こだわりを大切にして」とかいう表現が多くなって、まるで“こだわり”がとても“良いこと”“尊ばれること”でもあるかのように語られることが多いのですが、元々の意味は「こころが捉われ執着する」の意ですので、融通性に欠けて、臨機応変に対応できないことの表れでもあります。
実際、物事にこだわる人たちを見ていますと、例外なく、頑固で執念深い一面を持っているものです。