1日 選択肢のなかった私の人生
もともと才能のない私がこの世で生きていくためには、次の二つの選択肢しか考えられませんでした。
一つは、悪いことをして何かを得ること。あと一つは、誰にでもできる平凡なことを徹底していくこと。
悪いことをする度胸のなかった私は、平凡なことを徹底して今日までやってきました。結果において、思いもかけない大きな力をいただきました。
2日 礼を尽くす
人との待ち合わせには、定刻十分前を信条としています。
訪問先に駐車する場合は、駐車場の一番奥に車を止めるように心がけています。車で見送りを受けるときは、窓を開放し、会釈をし、見えなくなるまで先方に礼を尽くします。
お客様をお見送りするときは、お客様の姿が見えなくなるまで、その場に立ったままお見送りします。
3日 「躾」について
「躾」とは、「整理」「整頓」「清掃」「清潔」を指示・命令でやったり、規則でやったり、当番でやるというのではなく、習慣として身につけることです。
やらずにおれない。どうしても気になる。無意識のうちに、自然と、いつの間にか体が動いている状態。
このような習慣を身につけるということが「躾」の意味です。「躾」が定着すると、社風がよくなります。
4日 人の心
独立した途端、思いがけず冷たい対応をされたのが、もっとも信頼していた仕入先でした。
人の心というものは、まことに不思議なものだと思います。
その仕入先も、当社が順調に発展するにしたがって、挨拶に来てくださるようになりました。現在、昔のことには一切触れず、大切な取引をさせていただいております。
5日 結果主義とプロセス主義
結果主義は「終わりよければすべてよし」という考え方です。この考え方には、誠意が感じられません。事実、結果を追うあまりあの手この手を使い、ついには犯罪まで犯すようになります。
この考え方が、いまの世相を悪くしている大きな原因です。一方、プロセス主義は方法と手段に重きを置いて、その過程を大切にする生き方です。