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異端のすすめ
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文庫版のためのまえがき

『異端のすすめ』
[著]長谷川慶太郎 [発行]PHP研究所


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 本書は最初は「省エネルギーセンター」、次いで「新潮文庫」から、今回は「PHP文庫」と、これで三社から世に問われるという異例の書である。それだけの評価を頂いたということで、著者としては身にあまる光栄である。

 題の示す通り、本書は「金太郎飴」を排して、個性ある人物に変身することが経済の論理から見ていかに重要なものになってきたかを、ビジネスマンに強く訴えるために書かれた。戦後の日本は、敗戦のショックから立直る過程で、世界に類例のない「平等主義」の人事管理制度を企業内部に導入し、世界の経済界での「常識」であるブルーカラーとホワイトカラーという人事制度の差別を完全に解消した。そのおかげで、日本の企業は世界の全ての国よりも一段も二段も優れた効率を発揮し、一九七〇年代の石油ショックを転機に徹底した「高品質」を目指す経営戦略を見事に成功させ、今日の地位を築きあげた。

 その反面、企業内部に限らず、日本全国到る所で、徹底した「金太郎飴」が流行してしまい、どの企業でも、官庁・学校を含めたどの組織でも、「横並び」の発想が支配する状況を定着させてしまった。「個性の強い人物」をあらゆる組織の外部に排除する動きが強まって、次々に「窓際族」とされ、さらに組織の「窓」から組織の外に蹴り出されて、組織の内部には「金太郎飴」しか残らない状態となっている。

 これでは、いまの世界全体に「基調」として流れている「自由化路線」に対応して、日本のあらゆる「制度」を見直し、改革の対象にとりあげ、世界の大勢と歩調を合せて新しい情勢の変化に沿うことなど、望むべくもない硬直した体制を続けることになるに違いない。その結果、急速に激化する国際競争に日本の企業は次々に敗北し、国際経済のなかにかつて占めてきた高い地位を失って、日本は経済成長など縁遠い「衰退」の道を歩むことになる恐れは十分ある。

 いまの「円高」による製造業の「空洞化」現象は、その端初に過ぎない。これからもっと厳しい情勢も予想せざるを得まい。

 この危機に対応するのに欠かせない日本国民の意識の転換を、どのように推進すればよいのか、それが本書のテーマである。すでに八年前に最初の版を世に問うてから、この間題が相変らぬ解決を求められていること自体、この問題がどれほど深刻でかつ解決が困難な性格のものかを、改めて痛感させられる。日本人にとって、「異端」はどれほど選び難いものなのだろうか。「PHP文庫」の刊行で同社出版部今井氏のお力を頂いた。記して感謝したい。


 一九九四年五月
長谷川慶太郎 
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