読みたいトコだけ買える本。
犬耳書店
初めての方へ 記事一覧 無料登録 ログイン

犬耳書店はRenta!へ統合いたします

(2021/11/26 追記)

犬耳書店の作品をRenta!に順次移行します。
詳しくはこちらでご確認いただきますよう、よろしくお願い申し上げます。

0
-2
kiji
0
0
1232590
0
地球曼荼羅 世紀末を歩く
2
0
0
0
0
0
0
ルポ・エッセイ
お気に入りとは?

お気に入りボタンを押すとお気に入りリストにこのページが追加されます。興味のあるページ・気になったページを後から確認するのに便利です。

お気に入り お気に入り
“現代の秋”――オランダ紀行(2)

『地球曼荼羅 世紀末を歩く』
[著]森本哲郎 [発行]PHP研究所


読了目安時間:9分
この記事が役に立った
0
| |
文字サイズ


    ホイジンガの故郷


 たぶん一九〇七年のことだったと思う――と、オランダの史家ホイジンガは回想している。

 ある日曜日だった。彼は午後、いつものようにフローニンヘンの町の郊外を散歩していた。町のすぐ先には、どこを見まわしてもフローニンヘンの原野がひろがっていた。

 そのとき、彼の頭にひとつの洞察がひらめく。それは、「中世」と呼ばれる時代の後期を、「きたらんとするものの告知としてではなく、過ぎ去るものの枯死として」(『わが歴史への道』坂井直芳訳)とらえるという考え方だった。そしてここから、いまや古典的となった名著『中世の秋』が書かれることになるのである。

 もし――と私は考えた。ホイジンガのひそみに(なら)い、現代をそのようにとらえたならば、二十世紀末のいまの世界は、どのように見えてくるだろう。そう思って、私はホイジンガの歴史意識を育てたオランダ東北部の州都フローニンヘンへと向かったのだった。

 八月。夏はもう盛りを過ぎていた。アムステルダムを午前十時三十二分に出た列車は一時間二十分で私をホイジンガの故郷へと運んでくれた。
この記事は役に立ちましたか?

役に立った
0
残り:3583文字/本文:4049文字
この記事を買った人はこれも買っています
      この記事を収録している本
      この本で最も売れている記事
      レビューを書くレビューを書く

      レビューを書いてポイントゲット!【詳細はこちら】

      この本の目次