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こんな「相続税対策」は、やってはいけない!
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第4章 知って安心!相続手続きのコツ

『こんな「相続税対策」は、やってはいけない!』
[著]深井豊 [発行]PHP研究所


読了目安時間:43分
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1 相続の発生後、とるべき手続きにはタイムリミットがある

相続発生後の手続きの流れを知っておこう


 被相続人が亡くなると相続が開始します。それにともない、各種の届け出をしなければなりません。それぞれに期限が決まっていますので、そのスケジュールを次表にまとめておきましょう。


2 相続人の優先順位の確認は7日以内にやっておこう

7日以内にやるべきことはたくさんある

●遺言書の有無を確認する


 相続の開始があった場合には、まず、遺言書の有無を確認します。被相続人から遺言書の保管場所を教えてもらっていない場合、家のなかだけでなく、取引銀行の貸金庫や、遺言執行者に指名されている人などにも確認してください。

ここがPOINT!
遺言書が公正証書遺言以外の場合で、封印されているときは、家庭裁判所で開封してもらわなければなりません。また、公正証書遺言以外の遺言書は、同じく家庭裁判所で検認を受ける必要があります。


 家庭裁判所で開封しなければならない場合は難しいのですが、遺言書には葬儀の行い方や喪主の選定などについても書かれていることがあるので、相続の開始後、なるべく早い段階で遺言書の有無の確認を行い、遺言書が出てきたら、内容を確認することが重要です。

●相続人を確認する


 相続が発生したら、誰が相続人になるのかを確認する必要があります。戸籍が記された住民票の除票(住民登録が抹消された住民票)を取得し、本籍地の確認を行い、除籍謄本を取り寄せます。さらに、被相続人が生まれてから亡くなるまでのすべての戸籍謄本類(戸籍謄本、除籍謄本、改製原戸籍謄本)をそろえます。

 さらに、配偶者や子(代襲相続人がいる場合には代襲相続人まで)の戸籍謄本を取り寄せます。子(直系卑属)がいない場合は、法定相続の第2順位である被相続人の両親など(直系尊属)の戸籍謄本を取り寄せます。直系尊属がいない場合は、法定相続の第3順位である被相続人の兄弟姉妹(代襲相続の場合は、甥、姪まで)の戸籍謄本が必要になります。

●死亡届を提出し、葬儀を行う


 被相続人が国内で死亡した場合は、死亡した事実を届出人が知った日から7日以内(日本国外で死亡した場合は3カ月以内)に、死亡者の本籍地、届出人の所在地、死亡した場所のいずれかの市区役所・町村役場に死亡届出書(死亡診断書または死体検案書に医師の記入・押印があるもの)を提出しなければなりません。

ここがPOINT!
死亡届を提出しないと死体火葬許可証が発行されません。死亡届の提出には、届出人の印鑑も必要です。通常、死亡診断書と死亡届は一緒になっているので、病院で死亡診断書を作成してもらいましょう。生命保険金などを受け取る際も、死亡診断書が必要です。死亡診断書は有料ですから、必要な枚数を確認してから作成依頼をしましょう。


 死亡届を提出したら、次は被相続人の葬儀ですが、限定承認や相続放棄を行う場合には、葬儀費用を相続財産から支払ってもいいものなのかという点が問題になります。

 民法第921条1項は、相続人が相続財産の全部または一部を処分したときは単純承認したものとみなすと規定しており、以後、その相続人が相続放棄や限定承認をすることを認めていないからです。

 しかし、判例では、葬儀費用を相続財産から支払った場合でも、分相応の葬儀であれば、単純承認にはあたらないとされています(大阪高裁平成1473日)。すなわち、分相応の葬儀であるかぎり、葬儀費用を預貯金などの相続財産からあてたとしても、相続放棄をすることができるということです。

ここがPOINT!
充当が認められるのは、分相応といえる葬儀にかかった必要最小限の金額であり、その額がいくらまでならいいのかを判断するのは非常に難しいものがあります。一般的には、200万円程度までと見られているようです。


 いずれにしても、限定承認や相続放棄を考えている相続人は、あわただしい状況下でしょうが、葬儀の前に弁護士に相談することをおすすめします。

 また、裁判所や債権者から説明を求められたときに、きちんと答えられるように、相続財産から葬儀費用に充当したことを示す明細書や領収書などはきちんと保管しておきましょう。なお、これは葬儀費用についての話であり、相続財産から墓などの費用を支払った場合には、相続放棄や限定承認は認められなくなります。

3 相続するかしないか、3カ月以内に決めなければならない

3カ月以内に相続財産を計算し、中身を評価する


 通常、被相続人の死亡届を提出し、葬儀を終えたあとは、急いで次のことを行わなければなりません。

●相続財産を調べる


 被相続人の財産、債務、保証状況などを、すべて調べなければなりません。

 銀行関係……通帳や預金証書を確認。

 証券会社……取引明細書や残高証明書を確認。

 不動産……市町村役場(東京都の場合には都税事務所)の名寄帳で確認。不動産は、登記地目が「公衆用道路」など非課税になっているものについては、所有していても固定資産税額が0円になるため、固定資産税の納付書が送られてこない場合があるので注意が必要。

 債務……借用書などの書面や、預金通帳の取引明細を見て、ローンなどの引き落としの有無を確認。

 連帯保証債務……書面が手元に残らないものは難しいので、各相続人どうしの聞き込みが重要。

●相続財産を評価する


 不動産や未上場株式など評価が難しいものもありますが、相続放棄や限定承認の申し出期限は、相続の開始があったことを知ったときから3カ月以内ですから、マイナスの財産の把握を含めて、早急に財産の把握をして、評価をしてください。



4 負債が多ければ相続を放棄することもできる

何もしなければ単純承認ですべてを相続する


 相続には、単純承認、限定承認、相続放棄の3種類の方法があります。このうち、限定承認または相続放棄を選択する場合には、相続の開始があったことを知ったときから3カ月以内に、被相続人の最後の住所を受けもつ家庭裁判所にその旨の申告をしなければなりません。

●単純承認


 相続人が被相続人の財産をすべて相続するもので、もっとも一般的な相続のかたちです。次にあげる事由に該当する場合は、単純承認したとみなされます。


 相続人が、相続財産の全部または一部を処分した場合。

 相続の開始があったことを知ったときから3カ月以内に、限定承認または相続放棄のどちらかを選択しなかった相続人が、家庭裁判所に考える期間の延長を申し出なかった場合。

 相続人が、限定承認、または相続放棄をしたあとであっても、相続財産の全部、または一部を隠匿したり、消費したり、わざと財産目録に記載しなかったりした場合。


 相続する財産には、プラスの財産のみならず、マイナスの財産も含まれます。したがって、プラスの財産よりもマイナスの財産のほうが多い場合は、相続人が債務を返済しなければならなくなります。

●限定承認


 プラスの財産とマイナスの財産のどちらが多いかわからない場合には、次のように財産を限定して相続することができます。


 マイナスの財産はプラスの財産の範囲内でしか相続しない。

 債務超過の部分については相続人固有の財産で弁済する責任を負わない。


 清算した結果、残った財産があれば、相続人のものになります。

 限定承認は、相続財産総額がプラスのときには相続ができて、マイナスのときには弁済責任を負わないというお得な方法ですが、次にあげるようなデメリットがあります。


 財産目録の作成を専門家に依頼しなければならない。

 債権者とのやりとりなど手続きが面倒である。

 相続人全員で申述しなければならない(すでに相続放棄した相続人がいる場合は、その人を除いた全員でする必要がある)。


 なお、限定相続は、相続の開始があったことを知ったときから3カ月以内に、家庭裁判所に限定承認の申告をしなければならないため、実際にはそれほど利用されていないのが現実です。
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