麻雀で勝負をやっていた頃、私は楽な道が目の前にあればあえてそこに進まず、きびしい道を選ぶようにしていた。きびしい道は楽な道に比べて圧倒的に手数が増える。そうやって勝負師としての己を磨いていたのだ。
楽な道を選んでいたら必要のない知恵やら工夫やら行動といったものが求められるが、いつまで経っても力がつかず、いざきびしいこと、困難なことが起きても、それに対処することができない。
いつもきびしいほうを選んでいれば、きびしいことでも徐々に楽にこなせるようになるのだ。
そんな習性がいまだに残っているのか、私はいまでも自分にとって嫌だと思うことをあえてすることがある。講演会でしゃべるのもその一つだ。
とくに企業が主催する講演会は苦手である。