読みたいトコだけ買える本。
犬耳書店
初めての方へ 記事一覧 無料登録 ログイン
0
-2
kiji
0
0
1235625
0
おとなのきほん 自分の殻を破る方法
2
0
0
0
0
0
0
生き方・教養
お気に入りとは?

お気に入りボタンを押すとお気に入りリストにこのページが追加されます。興味のあるページ・気になったページを後から確認するのに便利です。

お気に入り お気に入り
five おとなのお金。おとなのお金。

『おとなのきほん 自分の殻を破る方法』
[著]松浦弥太郎 [発行]PHP研究所


読了目安時間:14分
この記事が役に立った
0
| |
文字サイズ


「なんでそんなにきちんと生活して、がんばって働けるんですか?」

そう聞かれて「貧乏に戻りたくないからだよ」と答えました。

相手はびっくりしたし、何より自分が自分にびっくりしました。

お金の貧乏、心の貧乏、友だちの貧乏。そのこわさを僕は知っています。




「自分の夢とは違うし、やりたくない仕事だけれど、生きていくためには仕方ない」


 そんな思いで働いている若い人が多いそうです。僕も年下の友人から、こんな質問を受けたことがあります。

「お金のために気が進まない仕事をするとき、どうやってやる気を出したらいいでしょうか?」


 若い頃を振り返ると、僕はそんなことを考えたこともありません。


 なぜなら、幸いにも運と才能に恵まれていて、気が進む仕事だけをやってきたから。


 なぜなら、昔から裕福で、お金に困った経験がないから。


 ……もちろん、そんな理由ではありません。


 僕は生きるのに必死だったし、気が進もうと進まなかろうと、働かなければ食べていけなかった。家族を養えなかった。だから、「やる気を出そう」なんて考えている余裕すらありませんでした。


 今は若い頃よりはゆとりがありますが、それでも「貧乏に戻りたくない」という気持ちは僕の奥底に強くしみついています。その恐怖心があるから、懸命に、必死に、楽しく働けているのだと思っています。



 貧乏といっても、お金だけではありません。


 お金がなく、知り合いもなく、心が(すさ)んでいく孤独な時期。


 言葉にはできないほど、自分にとってのマイナスの時期が若い頃にありました。

「今日もしも怠けたら、明日の朝目がさめたとき、あの頃に戻っているかもしれない」という恐怖心は今でもあるし、これからも決して消えないでしょう。


 トラウマとか、コンプレックスといったものではありません。


 その恐ろしいどん底は、僕の宝物。「あの頃に戻りたくない」というモチベーションとなって、今の自分につながっているエンジンみたいなものでもあります。


 おとななら、そんな“こわい宝物”を持っていてもいいし、むしろ大事にしたほうがいい。そんなふうにとらえています。





 僕がとても若かった、ある年のお正月のこと。財布を見たら八〇〇円しかありませんでした。


 新しい年を迎えて、みんなが買い物をしたりごちそうを食べたりしている時に、僕の全財産は八〇〇円。

「このお金をどう使おうか。そもそも、なんで僕にはこれしかないんだろう」

この記事は役に立ちましたか?

役に立った
0
残り:5541文字/本文:6560文字
この記事を買った人はこれも買っています
      この記事を収録している本
      この本で最も売れている記事
      レビューを書くレビューを書く

      レビューを書いてポイントゲット!【詳細はこちら】

      この本の目次