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資本主義の正体
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経済・金融
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序章 資本が世界を文明化する

『資本主義の正体』
[著]池田信夫 [発行]PHP研究所


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 二〇一二年十二月、安倍晋三首相は「デフレ脱却」を政権の最重要課題とし、「日銀が輪転機をぐるぐる回してお札を印刷すればいい」と主張した。彼の指名した日本銀行の黒田東彦(はるひこ)総裁は「マネタリーベース(通貨残高)を二年で二倍にしてインフレを二パーセントにする」という目標を掲げ、大量の資金を市場に供給した。

 このような「アベノミクス」と呼ばれる奇妙な経済政策の結果、円は一ドル=八〇円台から一一〇円台に大きく下がったが、二〇一三年度の貿易赤字は史上最大の一三・七兆円になり、二〇一四年は経常収支(貿易収支+所得収支)も赤字になった。年率一パーセント程度のインフレになってデフレ脱却はできたが、成長率は大きく低下し、一四年はほぼゼロ成長になりそうだ。何が間違っていたのだろうか。

貿易立国の終わり


 日本はもはや「貿易立国」ではない。二〇一一年の東日本大震災のあと、貿易収支が赤字になり、これを所得収支(海外からの配当・金利収入)の黒字で埋め、かろうじて経常収支が黒字になっていたが、二〇一三年の後半には経常収支も赤字になった。

 この奇妙な現象の第一の原因は、円安の中でも輸入が増えたことだ。震災後に民主党政権が原発を止めたため、二〇一三年のLNG(液化天然ガス)輸入額は二〇一〇年から三・六兆円も増え、これが貿易赤字の三分の一を占める。このうちLNG価格の上昇やドル高の影響を除いたネットの影響は約二兆円。原発停止で、GDP(国内総生産)の〇・四パーセントが産油国に流出している。

 製品別に見ると、通信機の輸入がここ三年で二・四倍に増え、大幅な貿易赤字になった。これは携帯電話がスマートフォンになる変化に日本メーカーがついていけず、スマホのほとんどが輸入品になったことが大きい。この世界市場はアップルやサムスンなどの寡占状態になっており、日本メーカーのシェアは合計しても五パーセントに満たない。

 第二の原因は、輸出が増えないことだ。円安になると外貨建ての輸出価格が下がって、輸出量は増えるはずだが、貿易統計を見ると、二〇一三年は前年よりわずかながら減った。特に電機製品は純輸入に転じ、半導体の輸出量も大きく減少した。
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