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親離れできれば生きることは楽になる
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生き方・教養
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なぜ、大人になれないのか──はじめに

『親離れできれば生きることは楽になる』
[著]加藤諦三 [発行]PHP研究所


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 今、日本人の心は病んでいる。

 小学校では全国どこへ行っても、登校拒否の生徒がいない学校はないという。

 この前、北海道の、ある空港から車で二時間ぐらいのところに、講演に行った。出迎えにきてくれた人に聞いたら、そこの地域では登校拒否児はいないという。珍しいこともあるものだと、講演の時、その話をした。そうしたら講演後、教育関係者がきて、「ここだって困ってますよ」と言った。九州に行っても同じである。

 中学校は校内暴力である。家庭は家庭内暴力である。高校は五無主義である。

 大学にはスチューデント・アパシーになった学生がたくさんいる。かつてのように五月病などというような、なまやさしい一過性のものではない。大学によっては、男子学生の留年は二割を超している。極端な例だが、ひとつあげておこう。大学のサークルに入るのに、学生に何度も父親がついてきて、サークルに入れさせてくれと頼んだという。

 サラリーマンはうつ病が一二パーセントだという調査もある。別の調査では十人に一人は心の病いで、専門医の治療が早急に必要だという。一割のサラリーマンの心が病んでいるとすれば、半健康な人は一体どのくらいの割合になるのだろうか。

 東京都の小、中学校の先生の三人に一人はイライラ病だという。

 このような数字はいくらでもあげられる。私は今の日本人の心は世界で最も病んでいると思っている。思春期挫折症候群、成熟拒否、いろいろの言葉がある。

 それにしても、なぜこれほどまでに日本人の心は病んでいるのか、なぜ母子癒着して成熟を拒否してしまうのか、なぜ人々は情緒的に大人になれないのか。今、親子問題を考えることは、おそらく日本人を考えることでもあろう。

 心の病んでいる人の多くは、幼児・子供時代に親に受け入れてもらえなかった人である。しかも自分が受け入れられなかったという感情を、親への恐怖から、意志の力で無意識の領域へ追いやってしまった人である。受け入れられないとは、自分が実際に経験している感じ方を抑圧しなければならないということである。

 あなたが感じるように感じてはいけない、私があなたに望むように感じなさい、そういう親の期待におしつぶされて子供は(ゆが)んでいく。

 親は、愛という名のもとに、自分の感情を一方的に押しつけた。しかも押しつけているとは思わず、その結果、子供の情緒は成熟できず、子供はいつまでたっても親離れできないことになる。子供は、親の望む感情だけを持ち、親の期待に反する感情を持つことを自分に許さなかった。そして、生きている実感を失ってしまった。

 私はこの本で、親離れの難しさと大切さを書いた。そして、私自身の体験をも含めて、どうしたら親離れできるかを考えてみた。私自身、自分の過去をふりかえって、自分の心が健康だったとは逆立ちしても言えない。私自身、病んでいた。

加藤諦三 
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