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(2021/11/26 追記)

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本音と建前を見抜くちょっとした一言 「言い回し」から読み解く心理と真理の裏読みフレーズ120
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生き方・教養
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【あいつは器じゃないよ】

『本音と建前を見抜くちょっとした一言 「言い回し」から読み解く心理と真理の裏読みフレーズ120』
[著]増田剛己 [発行]CLAP


読了目安時間:3分
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 必要以上に自分を大きく見せたり、自分の能力を実際以上に見せようとして使う言葉だ。ただ、ハッタリとか大風呂敷というのはウソとは違う。あることを針小棒大あるいは誇大してアピールすることである。



 「あいつは人間が大きいから」などと言う人がいる。これはもちろん、背が高いとか体が大きいといった外見的なことではない。心が大きいとか広い、人間の器量が大きいということである。しかし、これほどあいまいな表現もないだろう。心や器量というのは目に見えるものではないからだ。

 あいまいな分だけ、こういう言葉は取り扱い方が難しい。ところが、うまく使う人はいるもので、飲み屋でビジネスマン同士のこんな会話を耳にした。

 「あの人はね、部長の器じゃないんだよ。というのもね、オレはこの前、目撃しちゃったんだけど、部長がコピーとってて、紙が詰まったらしいんだ。それを必死になって取ってたんだよ。それで、捨てりゃいいのに、取り出した紙のシワのばして、また使おうとしてたんだよ。まったくしょうがないよな」

 と、この話から、彼は自分の上司が部長としての器ではないことを強調する。それを聞いていたほうは、

 「そうですよね。そんなことは女の子にでもやらせて、本当に必要なことをやってほしいですよね。たとえば、この前われわれが出した企画の検討とかね」

 と応酬する。なるほど、この2人は部長に出した提案が認められないことから、コピーのエピソードを持ち出し、部長に対して、その任の器ではないとバッサリ斬っていたのである。

 コピーのエピソードは、とりようによってはどうにでもとれる話である。部長なのにわざわざ自分でコピーをとり、さらにミスコピーのシワまでのばして再生利用するのは見上げたものだという見方もあれば、そんな小さな仕事を自らやっているようでは、しょせん大きなことはできない、という見方もある。

 ようするにどちらでもいいことなのだ。それを“器ではない”と言い切れるところがおかしい。

 しかし、こういったおかしさがまかり通っているのがビジネス社会でもある。地位のある人間が、ある新人を評して、

 「あいつは、なかなかの器だ」

 こう言えば、その理由などはよくわからないけれど、なんとなくその気になってくる。そして、どういうわけか言っている本人が、自分自身を偉い人間だと思えるのである。つまり、本当は偉くないからこそ、こういう言葉を吐いて、自分は偉いんだぞと思う、こういう瞬間がないと生きていけないのが、“器”を語る人種なのだ。

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