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(2021/11/26 追記)

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やさしくわかる!すぐに使える! 「介護施設長&リーダー」の教科書
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くらし
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第1章 あなたの「施設長像」は間違いだらけ!

『やさしくわかる!すぐに使える! 「介護施設長&リーダー」の教科書』
[著]糠谷和弘 [発行]PHP研究所


読了目安時間:32分
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01 施設長は“現場”にいてはならない


「マネージャーは、現場主義でなくてはならない」「答えは現場にあるのだから」と言う人がいます。


 中間管理職の仕事の仕方を語るビジネス書でも、「現場第一」を重要視しているものがたくさんあります。


 確かに、「現場にいないと、大切なことを見落とすかもしれない」「現場を見て判断するほうが正しいに違いない」と、現場を重要視する理由は理解できます。


 しかし、この「現場第一」の考えが、多くの施設長から「やるべきこと」を奪っていると、私は考えています。



 施設長の多くは、現場出身です。きっと、現場での介護職、医療職としての仕事ぶりが認められて、今のポジションにいるのでしょう。


 言い換えれば「誰よりも現場がわかっている人」ということになります。ほとんどの施設長が、もとは「職人集団の親分」なのです。


 そんなあなたが現場に出てしまうと、どんなことになるでしょう。スタッフからは頼られ、お客様(本書では利用者、入居者を「お客様」と言います)からは「施設長が顔を出してくれるなんて(うれ)しい」と喜ばれるに違いありません。



 実は、ここには大きなリスクが(ひそ)んでいます。


 苦手な管理業務をやるよりも現場で力を発揮したほうが、あなたにとってよほど気持ちが楽なはずです。他のスタッフよりも(当たり前ですが)活躍できますから、まわりから()められます。


 すると、あなたの中に「私は、現場から離れられない」「現場が、私を必要としている」という考えがわき起こり、少しずつ現場にいる時間が長くなります。(おの)ずと体も疲れますから、「仕事をした」という充実感もあるかもしれません。


 しかし、それは大きな誤解です。そんなことで、満足していてはいけません。



 よく考えてみてください。あなたの役割は、現場で誰よりも活躍することでしょうか?


 違います。現場のことは、あなたの部下である現場スタッフがやるべきです。それを取り上げてはいけません。


 それに、本書を読み進めた施設長は、きっと気づくでしょう。「現場になど、出ている暇はない」と。


 そうです。施設長には、施設長にしかできない役割が、山ほどある。それを後回しにして、施設長であるあなたが現場で貴重な時間を費やしているから、現場が回らなくなるのです。



 まず、あなたに必要なのは「施設長は“現場の”代表者だ」という、誤った「施設長像」を捨てることです。

「現場の親分」だと思うから、現場に近づきたくなるのです。そんな考えは、一刻も早く捨ててしまったほうがよい。むしろ、邪魔なだけだと思います。



 施設のトップであるあなたは、1つの施設の「経営」を任されています。その意味では「社長、理事長と同じ」と言ってもよいでしょう。


 もちろん、経営トップほどの権限や責任はないにしても、スタッフに適正な給与を支払い続けるために、経営を安定させる任務があります。


 スタッフが「ここで働き続けたい」と思えるよう、未来を語る役割があります。


 どのスタッフも均質のサービスが提供できるように育成する責任があります。


 ですから、仕事の時間の大半は「現場の親分」ではなく、「ミニ経営者」として使わなくてはならないのです。



 これからは、安易に現場に身を投じることのないようにしましょう。


 最初は慣れない経営的な役割に、大きな不安を感じるかもしれません。しかし、そこがスタートです。


 施設長にしかできないことを全力でやる。それが大事なのです。


 もしかしたら、「私たちはこんなに忙しいのに、施設長はちっとも現場を手伝ってくれない」と批判するスタッフもいるかもしれません。その声に負けてはダメです。


 もちろん、私は「手伝うな」と言いたいわけではありません。優先順位を間違ってほしくないのです。


02 毎日、職場に出勤してはダメ



 もしあなたが、「自分は運営責任者なのだから、毎日、職場に顔を出さなければならない」と真剣に考えているとしたら、それは大きな間違いです。

「いつ何が起こるかわからないし、施設の“大黒柱”としてドシッと腰を()えているべきだ」というのは“古いタイプの施設長像”です。


 現に、私のまわりにいるスゴ腕施設長たちの多くは、いつも施設の外に出て、あちらこちらを飛び回っています。事務所にこもるとしたら、新たな事業を立ち上げるときや、重大な課題を短期集中で解決しなければならないときくらいです。


 彼らがやっていることは、主に次の4つです。


・セミナー、研修での情報収集

・成功施設の視察(研究)

・地域でのネットワークづくり

・自治体や組織に対する渉外活動



 このうち、特に大事なのが「情報収集」と「成功施設の視察(研究)です。これは、介護業界特有の「情報戦」に勝つために、欠かすことのできない作業です。



 改めて言うまでもありませんが、介護事業は「介護保険制度」という大変厳しいルールに(のつと)って運営しなくてはなりません。保険や税金を使って事業をしているのですから、当然のことでしょう。


 ルールは3年ごとに改正されますが、この内容が難解で、(くせ)(もの)です。


 改正内容を理解する公式な場は、自治体が改正前後に開催する説明会くらいです。しかも、変更されたポイントのみを、ごくわずかな時間で概略を解説するだけですから、決して丁寧とは言えません。


 これだけで理解しようというのは、そもそも無理があります。


 改正情報は、厚生労働省のホームページでもダウンロードできます。多くの事業者が持つ疑問に回答する「Q&A」や、 自治体ごとの“ローカルルール”を定める資料も、ほとんどがインターネットで公開されています。しかし、こうしたものをいくら読み返しても、プロである私たちですら解釈や対策に迷うときがあります。



 もうお気づきだと思いますが、制度ビジネスでは、情報は平等に与えられますが、その情報を“どう読み解いて対応するか”で大きな差がつくのです。

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