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(2021/11/26 追記)

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稼げる! 新農業ビジネスの始め方
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第2章 我は農業界のジョン万次郎なり

『稼げる! 新農業ビジネスの始め方』
[著]山下弘幸 [発行]すばる舎


読了目安時間:16分
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1 農家の跡取り息子


 私は、1969年に、野菜農家の3代目として熊本県益城町で生まれました。上の2人が姉でしたから、長男の私が跡を継ぐのが当然の路線で、親からも「お願いだから勉強しないでくれ」と言われるような環境の中で育ちました。信じられないかもしれませんが、勉強して頭が良くなって大学にでも進学されたら「農家の跡取りになんてなってくれない」と、そんなふうに思っていたのでしょう。

 現に私の周りにも、男兄弟が2人いる場合は、勉強ができるほうは大学へ行って就職し、勉強が苦手なほうが跡取りになるという暗黙の了解みたいなのがあって、男兄弟がいる農家の息子は必死に勉強していました(笑)。もう 30 年以上も前のことですが、当時の熊本の田舎ではそれがふつうだったと思います。

 もちろん、私が「大学に進学したい」と言ったときも当然のように反対されました。
「世間を見たら、よそが華やかに見えるからダメだ」と言うのです。親も農業を継がせようと必死だったんですね。それで結局、「農業大学に行って、卒業したら家をぐから」という条件で、「熊本県立農業大学校」に進学することになりました。

 農大の学生時代も「日本の農業はなんだかヘンだ」とは思っていましたし、「職業選択の自由はどこに行ったんだ」なんて不満も感じていましたが、当時はそれに反発する力量もエネルギーもなくて、卒業すると、モヤモヤした気持ちをいだいたまま、惰性で農業の世界に入ることになりました。

 そんな気持ちで農業をやってもうまくいくはずがありません。今でこそ、儲かる農業の話をしていますが、その当時の私はまさに、〈きつい、汚い、危険〉の、全然儲からない3K農業をやっていたのです。

 そんな私のところに、ラッキーなことに、お父さんは公務員、お母さんは専業主婦という、いわゆる一般サラリーマン家庭で育った女性が嫁に来てくれました。私が 27歳のときのことです。

 実はそれまで「あなたは農家だから」という理由で、私は2回結婚に反対されていました。私のふがいないところを相手の親に見抜かれたのがいちばんの理由だったと思いますが、断られた理由は「農業イコール共働きだ。うちの娘にそんな思いをさせるのは()(びん)だ」というものでした。そういう時代だったんです。

 でも、当時の私にしてみれば屈辱でした。
「やりたくて農業をやっているわけじゃないのに! 仕事の選択の自由を奪われて、大学の選択の自由が奪われて、結婚の自由も、かよっ!」と悶々としていましたし、やる気もなければ、目標も見つけられず、私自身が「どうせ農業なんて」と農業をさげすみ、親にも農業をやっていることを軽蔑するような言葉を平気で吐く始末でした。

 そんな私のところに、OLをしていた彼女が、農業に対してなんの先入観もないまま、嫁に来てくれたのです。

 家庭をもったことで私は少しやる気になりました。しかし、農業の世界で目標をもって何かをやるというのは、けっこう難しいことでした。
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