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「日本の神様」がよくわかる本
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エンタメ
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第六章 鉱・工業生産に関する神々――便利な道具をつくる素材や技能の神様

『「日本の神様」がよくわかる本』
[著]戸部民夫 [発行]PHP研究所


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金山彦命
(かなやまひこのみこと)

     別称金山毘古神(かなやまひこのかみ)、金山大明神

     神格‥鉱山の神、鍛冶の神、鋳物の神



鉱山から鍛冶・鋳物までつかさどる


 カナヤマヒコ(のみこと)は、イザナミ命が火の神カグツチを生むときに陰部を焼かれ、病んで苦しみながら吐いた嘔吐(おうと)物から、カナヤマヒメ命とともに生まれた神である。

 兄妹神とも夫婦神もいわれるが、どちらとも定かではない。ただ、製鉄の守護神(しゆごしん)としてタタラ(蹈鞴(たたら)=製鉄所)に(まつ)られるカナヤコ神(金屋子神。神話には登場しない)は、この二神の御子神(みこがみ)とされているから、夫婦と考えていいだろう。

 基本的な性格は鉱山の神である。『古事記』では、この二神につづいて土の神と水の神が生まれたとあることから、鉱山で()れた鉱石や砂鉄を大量の水を使って選別し、粘土でつくったタタラに入れ、(ふいご)(吹子)による高熱で溶かして精練するという、古代の製鉄の様子から連想された神さまと考えられている。こうした製鉄との関わりから、鍛冶(かじ)の神や鋳物(いもの)の神としても信仰されている。

全国に知られる庖丁の神


 包丁(ほうちよう)の守護神として有名な岐阜県の南宮(なんぐう)大社は、カナヤマヒコ命を祀る全国三千の神社の総本社で、包丁製造業者に厚く信仰されている。

 社伝によれば、カナヤマヒコ命が神武東征(じんむとうせい)のときに金鵄(きんし)を飛ばし、戦勝をもたらす霊威(れいい)を発揮したという。これは優秀な鉄製武器の製造の技術を背景にもつ庖丁の神のルーツを物語っていると考えられる。このように、カナヤマヒコ命は、本来の鉱山の神という範疇(はんちゆう)にとどまらない働きをする神さまである。

 たとえば、鉱山から掘り出された鉱石(荒金)は、精練され、加工されてようやく人間の道具となる。人間が便利に使う道具となって初めて金属文化が生まれる。金属文化がどんどん発達するなかで、鉱山の神ももとの性格を発展させ、その守備範囲を拡大させたと考えれば分かりやすいだろう。

 そうして剣、鏡、刀、(ほこ)(すき)(くわ)などを(きた)える鍛冶はもちろんのこと、すべての金属に関する技工を守護する神としても霊力を発揮するようになったのだ。今日では、鍛冶、鋳物などの金属加工業を中心にした金属関係全般の守護神として信仰されていて、この分野では一番の専門的な有力神である。
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