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「妬み」を「強さ」に変える心理学
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生き方・教養
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chapter 3 強者と弱者の間に覗く憎悪の感情

『「妬み」を「強さ」に変える心理学』
[著]加藤諦三 [発行]PHP研究所


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憎むことから何が生まれるか




憎しみを生み出す心の源流


 人間の憎しみや敵意はどのように生まれてくるのか? それは自分が持っている動物的、本質的な悪であるという面もあるにはあるだろうが、それ以上に人間の育てられ方によるところが多い。

 レオン・サウルという精神分析学者が書いた『敵意に満ちた心』という本によると、敵意や憎しみを生むのは、まず人の依頼心だという。

 たとえば親が離婚しようとして一人の子供をとりあう場合や、生みの親と育ての親が子供をとりあう場合、二人はその子のちょっとしたほんのささいな行動や努力に対してさえ絶賛する。そして傷つけないように細心の注意をはらう。子供は他人への依頼心を強くする。しかし、その子が親から離れていかなければならない時、彼は仲間とうまくやっていくことができない。彼は学校でも会社でもうまくいかない。そして、その欲求不満を他人への敵意や憎しみに組織化していく、というのである。

 依頼心と深く関係するが、愛への過大な欲求も憎しみの温床である。ある女性がいろいろ恋愛するのだが、全部ケンカ別れになる。その子は母親が社会的に活動していて、面倒を見てもらえなかった。そこで父親がかわいそうに思い、ただただ欲しいものをやたらに与えた。

 彼女は同性に敵意を持っていて、うまくいかない。男性と恋愛しても、男性は父親のそうした浪費的愛を与えない。誰ともうまくいかず欲求不満はつのる。彼女は大きくなると、結局、男性にも女性にも憎しみを持ってしまうのである。

 あるいは劣等感も憎しみと敵意の温床であることは説明を必要とすまい。

 ところが、こう考えてくると、日本人がいかにその意識の深いところで他人に憎しみを持っているかがわかる。憎しみや敵意には限界がない。相手をどこまで痛めつけても、それでは決して満足しない。痛めつけているその瞬間だけ心が安らぐが、またすぐもとにもどる。休みなく心は不安定なのである。

 こうした時、弱い立場にあるものが、自らの存在の奥深くにおいて他人への不当な憎しみや敵意をいだいている場合は、まだ社会的にはいい。そして強い立場にあるものが、成熟した精神の持ち主である場合には社会的にはいい。しかし強い立場にあるものが、存在の奥深くにおいて他人への不当な憎しみや敵意を持っている時、われわれの社会は一体どうなるか。
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