読みたいトコだけ買える本。
犬耳書店
初めての方へ 記事一覧 無料登録 ログイン
0
-2
kiji
0
0
1240443
0
「妬み」を「強さ」に変える心理学
2
0
0
0
0
0
0
生き方・教養
お気に入りとは?

お気に入りボタンを押すとお気に入りリストにこのページが追加されます。興味のあるページ・気になったページを後から確認するのに便利です。

お気に入り お気に入り
chapter 4 自分の責任は自分で負え

『「妬み」を「強さ」に変える心理学』
[著]加藤諦三 [発行]PHP研究所


読了目安時間:15分
この記事が役に立った
0
| |
文字サイズ

殻をやぶってこそ道はひらける




他人の痛みに鈍感な人間


 二人の人間がある人の話を聞いていたとする。一人の人間はその話を素直に聞き、もう一人の人間はその話を素直に聞けない。一人は素直に、一人はひねくれて話を聞く。

 そしてひねくれている方は、実は自分がひねくれているということをたいていは知っている。

 そこで、そのひねくれている方に、
「彼は素直に聞けるのに、おまえはどうして素直に聞けないのだ」

 ということを言ったとする。ひねくれている人間は次のように答える。
「あの人は、ひねくれるだけの理由がないのです。私だって、今のような状態になければもっと素直に話が聞けるはずです」

 人間は、誰でもひねくれたくてひねくれているのではない。素直でいることの方が何倍も楽しい。ひねくれるということは、その周囲の人間に不快感を与えるばかりではなく、自分自身も不愉快なのである。いや、もしかすると、周囲の人間を不愉快にする以上に自分自身の方がはるかに不愉快なのではなかろうか。誰も好きこのんでひねくれるわけではない。ひねくれる人間は充分にひねくれるだけの理由があってひねくれているのである。

 しかし、他人の話をひねくれて聞いている人間が、ひとつだけ勘ちがいしていることがある。それは、素直に人の話を聞いている人間も、実はひねくれている自分と同じように充分にひねくれるだけの理由があるのである。ただ彼はそれをがまんして、人間の修養によってひねくれないだけの話である。

 人間は、放って置いたら誰だって必ずといっていいほどひねくれるにちがいない。素直に人の話を聞いている人間も、充分にひねくれるだけの理由はあるにちがいない。しかしそうした自分を抑えて、「これではいけない」「もっとえらくならなければいけない」と自分自身に言い聞かせて、そして素直になっているのである。

 現在のような社会の中で、もし生まれたままで、努力や修養をすることなしにひねくれない人間がいたとしたら、むしろその人の方がおかしい。普通の人間で素直な人間がいるとすれば、それはすべてドロドロに血を流して、ある時、肥大した自我を切り捨ててきた人間である。

 ひねくれている人間は、
「あの人はひねくれるだけの理由がないけれども、私はあの人のように恵まれていないからひねくれるのだ」

 と言うけれども、素直な方の人間が、客観的に見れば、はるかに多くの苦しみを背負って生きてきたということだってある。

 ひねくれて生きている人間というのは、実は大変に甘えている人間なのである。ひねくれて人の話を聞きとり、ひねくれたことを他人に言っても、自分は一人ぼっちにならないと思っている。ひねくれた人間は、周囲の人間に自分が見放されて誰からも相手にされなくなるということを予期していない。
この記事は役に立ちましたか?

役に立った
0
残り:6153文字/本文:7301文字
この記事を買った人はこれも買っています
      この記事を収録している本
      この本で最も売れている記事
      レビューを書くレビューを書く

      レビューを書いてポイントゲット!【詳細はこちら】

      この本の目次