「自分自身のすべて」に“ありがとう”を贈る
いつもどんなときも、自分を支えてくれている“体”と“心”に感謝
自分自身に「ありがとう」と感謝すると、びっくりするような幸せ奇跡な運命が訪れます!
人さまや、なにかしらの出来事に感謝することも大切ですが、本当は“自分自身”に感謝することが何よりも大切なことなのです。
いまでこそ、自分が大好きで、自分のことも他人をいたわるくらいの気持ちで、素直にいたわれるようになった私も、かつては、それはそれは自分を粗末に扱っていました。そこには、自分の体や心や存在そのものに対する感謝がまったくありませんでした。
私は、幼い頃から複雑な家庭で育ち、十代の頃は、親との関係もあまりよくありませんでした。家庭の中は心が痛むものでいっぱいだったので、自分が愛されていない、邪魔者であるという感覚を強く抱いていました。
そうして、親に嫌われている自分という存在がイヤでイヤでしかたありませんでした。誰からも大切に扱われないのがふつうになってくると、今度は、自分で自分を粗末に扱うようになっていったのです。
私は、自分の体を傷つけたり、心を傷つけることなど、いくらでも平気でしていました。まるで自分で自分を崩壊させようとしているかのように。
しかし、あるとき、自分の体を自分で傷つけていたときに、ふと、こんな思いがよぎったのです。
「この世の誰からも愛されなくて、傷つけられて、邪魔にされていて、それで自分までもが自分をこんなに嫌って、いじめて、ひどい扱いをしているとしたら、いったい誰が私を守れるのだろう?」
そのことに気がついたとたん、それまで押し殺していた“本当は大切にされたい! 私も必要とされたい! 愛されたい!”という感情が一気に噴出し、私は、その場で泣き崩れてしまいました。
そうして、傷つけたばかりの血が出ている肌が痛むのを、初めてかわいそうに感じました。私は、自分で自分の体を抱きしめながら、こう言っていました。
「……ごめんね、私の体さん……。ごめんね。こんなに辛くあたってごめんね。痛いことばかりいっぱいして、ごめんね。もうしないよ。今度から守ってあげるよ。私が私を守ってあげるから……」
考えてみれば、この自分の体と心というのが、どんなに大切で尊いものか……。
この肉体がどんなに疲れ果てているときでも、体は私が倒れないように、支えようと各器官を働かせ、守ってくれていたのですから。
また心は、どんなに辛くて悲しいときも、この胸がはりさけそうな思いでいるときも、それでも完全にだめになってしまわないように、違うことを考えさせてくれたり、前を向いてなんとか明日を歩けるようにしてくれていたのですから。
それを思うと、自分の意識していないところで、体中の細胞が、自分にまつわるすべてのものが、黙って正しく機能してくれていて、私という人間の生存をキープしてくれていたのだとよくわかり、感謝するしかないという気持ちになったものです。
悲しみに泣き疲れて眠る夜もちゃんと、体は、私を眠らせることで、回復するのを助けてくれていたのですから。
体も心も、私がどんなにひどいことをしようとも、黙って耐えて、すべき働きをしていてくれたのです。なんということでしょう! ありがたすぎて、本当に涙があふれます。
そして、ときには、なにかしらのサインを投げかけて、壊れかけた部分を教えてもくれます。本当に自分のすべてが、自分を生かすためにすごいことをしてくれていたのです。
私は、まずは、自分を大事にすることでしか、自分を助けることでしか、何も始まらないことを知ったのでした。
自分に感謝のない人間は、誰かのために何かをすることも、自分自身のために何かをすることも、絶対にできないのですから。
だから、人は誰でも、自分の体に、心に、細胞に、すべてのことに「ありがとう」と言って、感謝を捧げ、エネルギーを与えてあげないといけないのです。
人は、良いエネルギーに満ちてさえいれば、変なことを考えなくてもすみますし、必然的に良い方向に行けるようにもなるからです。
☆自分を毎日支えてくれている“体さん”への感謝の祈り
「体さん、いつもがんばって働いてくれてありがとう。私の体のどこかが傷んでいるときは、それを痛みのサインで示すことで教えてくれてありがとう。エネルギーが不足しているときは、疲れを感じさせてくれて、休息が必要なことを教えてくれて、ありがとう。
エネルギーに満ちているときは、やる気をくれてありがとう。健康なときは、いろいろなことにチャレンジさせてくれてありがとう。
私が起きているときも、寝ているときも、私が何も命令しないのに、各細胞や神経や器官と仲良く連動して、連係プレーで私の健康をつくってくれて、私がより良く機能するように働いてくれてありがとう。
しかも、そんなに働いてくれているのに、いつも私のために黙ってやってくれていて、文句も言わず、お金もとらず、私が生きていくために必要なことをすべてしてくれてありがとう。
体さん、あなたは偉大です! あなたが私を支えてくれていることに心から感謝しています。本当に本当にありがとう」
☆いつもどんなときも壊れそうでも壊れない“心さん”への感謝の祈り
「私の心さん、あんなにイヤなことがあっても、こんなに辛いことがあっても、それでも私がだめにならないよう、支えてくれてありがとう。痛みも傷も、時という時間のお薬の中で、一生懸命、治してくれてありがとう。
私が、うれしいことや、楽しいことや、愛することを、もう一度できるように、復活させてくれてありがとう。
私がいろいろな夢や希望やビジョンを思い描くのを、一緒にわくわくよろこんでくれてありがとう。そして、幸せを感じることや、誰かを愛することや、他人や何かを思いやることを教えてくれてありがとう。
そして、私が“ありがとう”と感謝することを、最初に教えてくれてありがとう。それが大切なことだと思わせてくれてありがとう。
あなたのおかげで私は強くなれるし、なんでもできる。心さん、あなたが私の中にあってくれるおかげで、私の魂が生かされています。そんな何よりも偉大なあなたは、魂そのもので、私の命そのもので、最も偉大な力を持っている存在なんです。
そうして、心さんから生まれた感動がまた、他の人の心さんの中で感動を生みだすのを手伝う働きもしてくれて、ありがとう。魂ごと、命ごと、心さん、あなたに感謝しています」
「別れた恋人」にも“感謝”を贈る
あの人は必要なときにいてくれたのだと悟ると、その後いい人が現れる
もしもあなたが、愛する人や大切な人と別れてしまったあと、できるだけ早く立ち直り、再び素晴らしい人とめぐり逢いたいと思うなら、別れた恋人やパートナーに「ありがとう」と、それまで一緒にいてくれたことに対して感謝をしてみてください。
こんなことをお伝えすると、「えっ!? そんなの無理よ! だって、泣かされたり、裏切られたり、ひどいことばかりされてきたのだから」「別れた相手に感謝するなんて、できないわ」「感謝なんて、ほど遠いことよ。まだ許せてもいないし、辛すぎるし、イヤな気持ちのまま泣いているのだから」という方もいることでしょう。
しかし、そんな状況であるなら、なおさら、その辛くて悲しい状況の中で、許せないままでもいいので、言葉だけでもいいから、心の中だけでいいから、「ありがとう」とつぶやいてみてほしいのです。