『プロ野球「悪党」読本 「組織の論理」に翻弄された男たちの物語』
[著]手束仁
[発行]イースト・プレス
ねもと・りくお──クラウンライター・西武→ダイエー。日大三、日大専門部、法政大、川崎コロムビア、近鉄を経て、引退後はスカウトを務める。広島、クラウンライター・西武、ダイエーの監督も務めるが、むしろフロント入りしてからその手腕を発揮。時に強引なやり方で「球界の寝業師」とも呼ばれた。
プロ野球にドラフト制度が導入されるようになったのは1965年(昭和40年)からである。導入の目的は有力新人選手獲得のための契約金の高騰と、一部の人気球団に有望選手が集中することを避ける戦力の均等化だった。
しかし、規定をつくれば、その規定の裏をかいてなんとか自分のチームに有利にことを運ぼうと考えるのが人間のつねである。