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「体を温める漢方」で不調を治す
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第3章 この症状にはこの漢方が効く

『「体を温める漢方」で不調を治す』
[監修]石原結實 [著]石原新菜 [発行]PHP研究所


読了目安時間:1時間17分
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不定愁訴の原因は水毒であることが多い


 女性は男性に比べて筋肉量が少ないので、体温が低くなる傾向にあります。なぜなら、筋肉は「熱」を生み出す最大の器官だからです。ですから、筋肉量の少ない女性には「冷え性」が多いのです。

 体温が低いと、体の中での水の代謝も低くなりますし、腎血流も悪くなるので、尿として排泄する水の量が少なくなります。そのため、水が体に溜まってむくみやすくなり、溜まった水で体が冷えれば、全身の代謝が落ちて太りやすくなるのです。女性がむくみやすく太りやすいのは、「冷える体質=陰性体質」であるからだと言うことができます。

 陰性体質の人は、低体温、低血圧の傾向になりやすいのですが、漢方で言う「水毒」の状態になりやすい体質でもあります。「水毒」については第2章で説明しましたが、体の中の水のバランスが崩れて、体の中に余分な水が溜まった状態のことを言います。

 水は空気の次に大切なものですが、体の中に多くなりすぎてもよくありません。植物に水をやりすぎると根腐れしますし、空気中の水分が多いと湿気が多くなります。そのことをどう表現するかというと、「不快指数が高い」と言います。空気中に水分が多いとジメジメ、ベトベトして不快なのですから、体の中に水分が多いと不快になるのは当たり前なのです。
「水毒」とは、字の如く「水に毒される」状態です。「水毒」の症状はたくさんあります。肩こり、頭痛、頭重、めまい、耳鳴り、耳閉感、ふわーっとした感じ、動悸、息苦しい、外を見るとまぶしい、不安、不眠などです。

 このような不定愁訴は、西洋医学でいろいろな検査をしても異常が見つからず、結局「自律神経失調症」「更年期障害」という病名をつけられ、心療内科や精神科などを紹介されてしまうのです。

 しかし、実はこれらの不定愁訴は「水毒」が原因であることが多いのです。


 水毒になりやすい人

 ・普段から水分をたくさん摂っている人→ 水分の摂りすぎ 

 ・体温が低い人

 ・冷え性の人

 ・色白の人(生まれつきの体質)

 ・筋肉が少ない人
→ 水分の排泄が悪い 


 これらのうち一つでも該当するものがあれば、水毒および水毒予備軍になりやすい人です。ほとんどの女性は陰性体質なので、どうしても体の中に水を溜め込みやすいのです。だからこそ、女性は水分を「摂る」ことよりも「出す」ことを意識しないといけません

 余分な水が溜まれば「水毒」の状態だけに留まりません。体に余分な水が溜まれば体は冷えるので、常に濡れた水着を着ているのと同じ状態です。体が冷えると全身の血行が悪くなりますから、「血」を引き起こします。

 血の症状は、のぼせ、頭痛、肩こり、腰痛、生理痛、生理過多、子宮筋腫、イライラ、しみ、そばかす、あざができやすい、痔、あらゆる出血(不正出血など)などです。

 気・血・水のうちどれかが滞れば、必ず他のものに影響し、体のバランスが崩れます。女性のあらゆる不調は、元をたどれば「陰」という性質にあると言うことができます。

 先程の「虚証」「実証」の人の特徴と重なりますが、女性は数人集まれば、必ず人の悪口を言い始めます。これは万国共通の現象ですが、人の悪口を言う陰険な行動がまさに陰性体質の特徴なのです。

 今では陰性体質の男性も増えていますが、男性の大部分は陽性体質なので、人の悪口などはあまり言いません。女性は常に文句や愚痴を言ってストレスを発散させていますが、男性は文句や愚痴をあまり言わないのでストレスを発散できず、あるとき突然、くも膜下出血などで亡くなったりします。一方、グチグチ文句を言ってストレスを発散させている女性は、長生きすると言われます。

 女性は、もともとの体質が「陰性」であるがゆえに冷えやすく、水を溜めやすい性質です。水の流れが悪くなれば、気の流れ、血の流れも悪くなり、さまざまな不調が起こります。つまり「陰」である女性は、徹底的に「体を温めること」が大切なのです!

低血圧


 西洋医学では、医師も患者さんも高血圧に対して異常なほど敏感になっています。しかし、低血圧についてはほとんど触れませんし、他の病気が引き金で低血圧になっていなければ、放っておかれることが多いでしょう。
「低血圧症」とは、一般に収縮期血圧が一〇〇Hg、拡張期血圧が六〇Hgを下回ることを言います。

 低血圧は、原因がわからない本態性低血圧、低血圧になる病気や状態がある二次性低血圧、そして起立性低血圧の三種類に分けることができます。

 起立性低血圧には、寝ている状態や座っている状態から急に立ち上がったときに立ちくらみやめまいが起こる「即時型」と、朝礼や電車などで長時間立っていると気分が悪くなって倒れ込んでしまう「遅延型」があります。

 世間では立ちくらみやめまいのことを「貧血」と言いますが、それは、低血圧によって起こる立ちくらみやめまいのことを昔は「脳貧血」と言っていたからです。しかし、貧血と起立性低血圧は全く別の状態です。

 二次性低血圧は、糖尿病やアジソン病、大量に出血したときなど、低血圧になる病気や状態がある場合のことを言います。

 そして一番多いのは、原因のわからない本態性低血圧です

 この原因のわからない低血圧に悩まされている人は、実は世の中にたくさんいます。朝、目が覚めてもなかなか起き上がれず、ふとんから出るまでに一時間以上もかかったり、午前中は判断力が鈍ったり、仕事ができない人たちが多くいるのです。

 また、具合の悪い朝に子どものお弁当をつくってあげられないため、コンビニでお弁当を買って持たせたり、自転車に乗って子どもを保育園に送ることができないので、タクシーに乗って送り届けたりするお母さんも少なくないのです。周りの人には、子育てや家事を手抜きしていると思われ、「だらしがない」「もっとしっかりしなさい」などと言われて、理解してもらえないつらさに苦しんでいる人もいます。

 病院に行っても、持病がない限り低血圧だけでは異常とみなさない西洋医学では、このような訴えをすると、血圧を上げる薬を処方されるか、心療内科などへ回されてしまいます。

 しかし、漢方では簡単に説明がつきます。先程、虚実・陰陽について説明しましたが、低血圧はまさに「虚」の状態です。

 つまり、血圧の低い人は「虚証=陰性体質」なのです。虚証=陰性体質の人は、体を巡っている「気」や「血」が少ないので全身の代謝が低く、また、心臓から血液を全身に送るポンプの力が弱いので低血圧、低体温になりやすいのです。

 朝方は気温も体温も低くなっています。寝ている間は活動していないので、体温は最も低い状態にあります。虚証=陰性体質の人は、もともと冷え性、低血圧ですから、気温も体温も一番低い朝が最もつらいのは、当たり前なのです。
「虚」「陰」の状態を少しでも改善すれば、低血圧の症状はよくなっていきます。

 低血圧の人には、次に紹介する漢方薬と生活療法がおすすめです。

「低血圧に効く漢方薬」

気力・体力が低下している人の低血圧
症 状
□気力、体力がない
□疲れやすい、だるい
□貧血ぎみ
□汗が多い(寝汗を含む)
□食欲がない、胃腸が弱い
□痔、脱肛がある
□子宮脱がある

補中益気湯(ほちゆうえつきとう)
構 成 生 薬
柴胡(さいこ) ●炎症を抑える、熱を下げる
人参・大棗(たいそう) ●体力をつける、体を温める
白朮(びやくじゆつ)黄耆(おうぎ) ●尿の出をよくする
当帰 ●血行をよくする、貧血を改善する
陳皮(ちんぴ)乾姜(かんきよう) ●胃を強くする、体を温める
升麻(しようま) ●脱肛、子宮脱を改善する(上に引き上げる作用がある)
甘草(かんぞう) ●消炎作用、他の漢方薬の副作用を軽減する

 漢方ではお腹のことを「お中」と言いますので、この薬は「中(胃腸)を補って、気(元気)を益す」という意味です。

下痢しやすい人の低血圧
症 状
□体力がない
□手足の冷えが著しい
□下痢しやすい
□めまい、動悸がある

真武湯(しんぶとう)
構 成 生 薬
茯苓(ぶくりよう)蒼朮(そうじゆつ) ●尿の出をよくする
芍薬(しやくやく) ●お腹を温める、痛みをとる
生姜(しようきよう)附子(ぶし) ●新陳代謝を上げる=体を温める

 真武湯は、全身の新陳代謝が低下した状態に効きます。

生理痛・生理不順がある人の低血圧
症 状
□体力がない
□色白である
※色黒の人は四物湯(しもつとう)(当帰・(せんきゆう)・芍薬・地黄(じおう)
□冷え性
□貧血ぎみ
□頭重、肩こり
□めまい、動悸がある
□生理痛、生理不順がある、不妊症である
□しもやけ、しみ、そばかす

当帰芍薬散(とうきしやくやくさん)
構 成 生 薬
当帰・川 ●血行をよくする、貧血を改善する
芍薬 ●お腹を温める、痛みをとる
茯苓・白朮・沢瀉(たくしや) ●尿の出をよくする

水毒の症状がある人の低血圧
症 状
□体力がない
□肩こり、頭痛
□めまい、耳鳴り
□ふわーっとした感じ
□動悸
□不眠、不安

苓桂朮甘湯(りようけいじゆつかんとう)
構 成 生 薬
桂枝 ●気と血の流れをよくする
白朮・茯苓 ●尿の出をよくする
甘草 ●消炎作用、他の漢方薬の副作用を軽減する

気分が落ち込んだ人の低血圧
症 状
□比較的体力がない
□不安感、恐怖感がある
□不眠
□うつ状態
□のどに何かつまっている感じ(梅核気)
悪心(おしん)嘔吐(おうと)
□せき
□めまい、動悸

半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)
構 成 生 薬
半夏 ●去痰作用、吐き気どめ
厚朴 ●せきどめ、健胃作用
茯苓 ●尿の出をよくする
生姜・蘇葉 ●気の流れをよくし精神症状を改善する

 気分がふさいだ状態には、シソの葉と生姜が効きます。シソの葉と生姜をよく摂るようにするといいでしょう。

*低血圧症の人の生活改善ポイント*

 低血圧症の人は、新陳代謝が悪く心臓のポンプの力が弱いので、低体温になりやすい傾向があります。血圧を上げるためには、とにかく体を温めて代謝を上げることが大切です。
一、薄着をしないで、二十四時間三百六十五日腹巻きをする(冷えがひどい場合はカイロを貼る)
二、お風呂、サウナ、岩盤浴などで体を温める
三、運動をする(特に筋肉運動は全身の代謝を上げて体温を上げる)
四、しっかり塩分を摂る、生姜をたっぷり摂る
五、陽性食品を中心に食べる

 特に玉ねぎ、ネギ、ニラ、ニンニク、らっきょうなどのアリウム属は心臓の力を強くして代謝を上げる作用がある。体力をつける人参を食べる。

貧血


 貧血は、赤血球のヘモグロビンというタンパク質が少なくなると起こります。

 ヘモグロビンは酸素と結合して、酸素を全身に運ぶ働きをしますが、ヘモグロビンが少なくなると、全身に十分な酸素が運ばれなくなります。酸素が少なくなると、全身になんとか酸素を運んでもらおうと体が心拍数を増やすので、貧血になると動悸がしたり、息切れがしたりするのです。

 また疲れやすい、立ちくらみ、めまいなども貧血の症状です。貧血にはさまざまな原因がありますが、女性に最も多い貧血は「鉄欠乏性貧血」です。これは鉄分の不足によって起こる貧血です。

 鉄はヘモグロビンを構成する元素なので、鉄欠乏性貧血は、鉄分の摂取不足によっても起こりますし、潰瘍や痔などでの出血による鉄分の喪失過剰によっても起こります。子宮筋腫がある人は月経量が多くなりますから、この鉄欠乏性貧血になりやすいのです。

 また冷え性である陰性体質に多い貧血は、再生不良性貧血です。冷え性の人は全身の代謝が低いので、骨髄で血球を生み出す力も落ちて貧血になりやすくなります。再生不良性貧血の場合は、赤血球だけではなく、白血球や血小板の数も低下します。そのため、ウイルスなどに感染しやすい、血が止まりにくいという症状が現れるのです。

 貧血の人には、次に紹介する漢方薬と生活療法がおすすめです。

「貧血に効く漢方薬」

生理痛・生理不順・子宮筋腫がある人の貧血
症 状
□体力がない
□色白である
※色黒の人は四物湯(しもつとう)(当帰・川・芍薬・地黄)
□冷え性
□貧血ぎみ
□頭重、肩こり
□めまい、動悸
□生理痛、生理不順、子宮筋腫がある、不妊症である
□しもやけ、しみ、そばかす

当帰芍薬散(とうきしやくやくさん)
構 成 生 薬
当帰・川 ●血行をよくする、貧血を改善する
芍薬 ●お腹を温める、痛みをとる
茯苓・白朮・沢瀉 ●尿の出をよくする

 当帰と川が全身の血行をよくしますので、骨髄の血流も多くなり、造血作用があります。

 なお、子宮筋腫があっても出血量がそれほど多くなければ、当帰芍薬散又は四物湯だけで大丈夫です。

子宮筋腫や痔があって出血量が多い人の貧血
症 状
□比較的体力がない
□貧血ぎみ
□生理の量が多い
□痔からの出血がある

帰膠(きゆうききようがいとう)
構 成 生 薬
地黄(じおう) ●滋養強壮作用、貧血を改善する、体を温める、潤いを与える
芍薬 ●お腹を温める、痛みをとる
当帰・川 ●血行をよくする、貧血を改善する
(がいよう)阿膠(あきよう) ●止血作用
甘草 ●消炎作用、他の漢方薬の副作用を軽減する

 子宮筋腫があって出血量が多く貧血になっている人は、当帰芍薬散と帰膠湯又は四物湯と帰膠湯をあわせて飲むとよいでしょう。

気力・体力の低下した人の貧血
症 状
□気力、体力がない
□疲れやすい、だるい
□貧血ぎみ
□汗が多い(寝汗も含む)
□食欲がない、胃腸が弱い
□痔、脱肛がある
□子宮脱がある

補中益気湯(ほちゆうえつきとう)
構 成 生 薬
柴胡 ●炎症を抑える、熱を下げる
人参・大棗 ●体力をつける、体を温める
白朮・黄耆 ●尿の出をよくする
当帰 ●血行をよくする、貧血を改善する
陳皮・乾姜 ●胃を強くする、体を温める
升麻 ●脱肛、子宮脱を改善する(上に引き上げる作用がある)
甘草 ●消炎作用、他の漢方薬の副作用を軽減する

痔や脱肛、子宮脱はないが、気力・体力の低下した人の貧血
症 状
□気力、体力がない
□疲れやすい、だるい
□食欲がない、栄養状態が悪い
□貧血ぎみ
□顔色が青白い
□産後、病後の衰弱

十全大補湯(じゆうぜんたいほとう)
構 成 生 薬
人参 ●体力をつける、胃腸を整える、体を温める
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