『あの偉人たちを育てた子供時代の習慣』
[著]木原武一
[発行]PHP研究所
「学ばずしてすべてを知ることが偉大な芸術家の特徴のひとつである」と、十七世紀のフランスの劇作家、モリエールは言っているが、モーツァルトの例を挙げるまでもなく、学ばない偉大な芸術家はいない。学ばない芸術家がいるとしたら、それは三流、四流の芸術家である。彫刻家のロダンは、「天才? そんなものはない、ただ勉強あるのみ」と言っている。
この言葉のように、すべての芸術家は猛烈な勉強家である。そのことをもっともよく示しているのが、スペインの画家、パブロ・ピカソ(一八八一─一九七三)である。彼はつねに革新をめざし、ひとつの画風にとどまることを意識的に避けた。「絶対に繰り返さないという条件ですべてをなさねばならぬ」というのが彼のモットーであり、「これまで一度もなされなかったものを作る必要がある。