『あの偉人たちを育てた子供時代の習慣』
[著]木原武一
[発行]PHP研究所
精神を集中させるもっとも手っ取り早い方法は、本を読むことである。読書は、精神集中のほかに、知識の獲得と思考力の訓練によってわれわれの脳細胞を刺激してくれる。ほとんどすべての本には、読者がはじめて知ることが何かしらかならず記されている。私は長年の読書体験から、このことを断言できる。一冊の本の内容をすべて知っているのは、著者本人しかいない。その著者にしても、読書によって得た知識をもとに本を書いていることが多い。このような新しい知識の獲得とともにわれわれの脳細胞を活発に刺激するのは、読書中に展開される思考活動である。
「なるほど著者の言うとおりだ」とか、「これは大発見!」、「これはみごとな言い方だ」、あるいは、「これはまちがいでは?」などと考えたり、また、腹を抱えて笑ったり、悲しい気分になったり、紙面に記された文字がさまざまに読者の脳細胞に訴えかける。