『あの偉人たちを育てた子供時代の習慣』
[著]木原武一
[発行]PHP研究所
人間の一生における子供時代の大きな役割のひとつは、その後の人生で体験するかもしれない試練にたいして備えること、試練に耐えうる「基礎体力」を身につけることにある。「備えあれば憂いなし」で、幼いころ、つらい試練を乗り越えた人は、大人になっても、たいていのことではへこたれない。些細なことですぐ落ち込み、ひどく思い悩む人がいるが、そういう人は、きっと、ぬるま湯につかったような、棘も角もない、平穏無事な子供時代を過ごしてきたにちがいない。そういう人は、大人になって、指先に小さな棘がささっただけでも、大騒ぎする。
友だちと仲たがいしたり、喧嘩して泣かしたり泣かされたり、意地悪をしたりされたり、騙したり騙されたり──子供時代のこうした経験を通して他人を知り、自分を知る。