『あの偉人たちを育てた子供時代の習慣』
[著]木原武一
[発行]PHP研究所
一九七九年から三期連続十一年間、イギリスの首相をつとめ、その強硬な姿勢から「鉄の女」の異名を取った、マーガレット・ヒルダ・サッチャー(一九二五─)は、あるとき、父親からの授かりものは何かとたずねられて、こう答えた。
言行一致です。父は自分の信ずる事に確信を持つこと、そして実行することを教えてくれました。大切なことでは、人は決して妥協してはなりません。
(マーガレット・サッチャー『サッチャー私の半生』石塚雅彦訳・日本経済新聞社)
まさに「鉄の女」の信念である。彼女にとって父親は道徳の手本のような存在だった。そして、彼女はその手本に忠実に従った。