『あの偉人たちを育てた子供時代の習慣』
[著]木原武一
[発行]PHP研究所
私はこの本のはじめに、人間は習慣によって生きていると書いた。そして、人間は習慣によってつくられることを、これまでさまざまな例を挙げて述べてきた。再度繰り返せば、日日の行いからその人がつくられるのである。このことが子供のころから切れ目なくつづいているのである。
そのような日日まもるべき習慣が文字にあらわされたのが「家訓」である。
日本では古くから貴族や武家、商家などに家訓が伝えられ、守られてきた。それらはおおむね家の存続のためのしきたりを記したものであるが、なかには子育てに触れたものもある。家の存続には子育ては欠かせないことを考えれば、家訓に子育ての項目はなくてはならないわけである。現代でも、わが子はこういう人間になってほしい、自分の子供はこう育てたい、という親の気持や方針などを明記した家訓があってもよいのではなかろうか。