元外務省主任分析官の作家佐藤優さんは、猫を三匹飼っている。なぜ猫を飼うようになったか、その理由は新聞に寄稿した次の一文を見れば、わかる。
──裏切りとは、当初、存在していた信頼関係を反故にすることだ。そこから受ける心理的打撃はとても大きい。インテリジェンス(諜報)の世界に裏切りはつきものだ。そこで、某諜報大国の専門家に「裏切られたときにどうやって心を癒やす」と尋ねた。その専門家は、「犬や猫や小鳥などの小動物を飼うことだ。小動物は餌をやり、トイレを掃除する人間との間に構築された信頼関係を決して裏切ることはない」と答えた(「小菅」五一二泊 最大の教訓「読売新聞」二〇〇九年五月一二日夕刊)。