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(2021/11/26 追記)

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日本人アスリート名語録
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ルポ・エッセイ
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5章 アイデアで流れを変える──日本の改善力

『日本人アスリート名語録』
[著]桑原晃弥 [発行]PHP研究所


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これまでの練習スタイルを変えない限り、頂点には立てない。
──フィギュアスケート 小塚崇彦(こづかたかひこ)


 努力を重ねてトップクラスになる。しかし、あと一歩で王者になれない。何が足りないかを突き詰めた先が自己否定だったらどうだろうか?

 男子フィギュアスケートの小塚崇彦はスケート名門一家の三代目で、グルノーブル冬季五輪代表だった父・嗣彦(つぐひこ)に五歳の頃から指導を受けた。だから技術は手堅い。二〇一一年の世界選手権でも四回転を含むすべてのジャンプをノーミスで演技し、勝利は確実と思われた。だが、カナダのパトリック・チャンに負けてしまう。技術点では勝ったが、表現力で大差をつけられたのだ。勝つには表現力を身につけるしかなかったが、それは自分の練習スタイルを変えることでもあった。その時の決断が冒頭の言葉だ。

 著名な振付師デヴィッド・ウィルソンは小塚に「ロックスターになれ」「曲に思いを込めろ」「ひとりの人と会話をしながら滑れ」と教えた。意識になかったものばかりだったが、確実に吸収して「ニュー小塚」へと歩み始めた。

ひらめくと、午前一時だろうと二時だろうと、ジムまで走って行って、体を使って試していました。
──ボクシング 浜田剛史(はまだつよし)


 ボクサーにとって強いパンチは自分への凶器となることがある。一九八六年にWBC世界スーパーライト級王者になった浜田剛史がそうだ。浜田のアマチュア時代の戦績は三七勝六敗。うち二八がKOで、パンチの強さには定評があった。プロ入り後もKOを続けたが、一九八一年に試合で左手の甲を骨折してしまう。ハードパンチャーゆえの悲劇だった。ようやく回復して練習を始めると再び骨折、そして手術とリハビリの繰り返し。

 つらく長いこの期間、浜田は手によいことは何でも試し、また無事なほうの右手を徹底強化して二倍に活用するトレーニングに励んだ。夜、横になっていても、踏み込む足の内側のひねりと体重移動についてひらめくと、ジムで試した。

 長いブランクを経て一九八三年、再起戦をKOで勝利、一九八六年の栄光につなぐ。その勝利をイギリスのボクシング専門誌は「八六年最大の番狂わせ」と評したが、実は試合のできない二年間の工夫が結実した成果だった。

既存のトレーニングが本当に正しいかどうかはわからない。
──ハンマー投げ 室伏広治(むろふしこうじ)


 どんな競技にも定番のトレーニング方法があり、まずはそれを実践しなければならないとされているが、ハンマー投げの室伏広治は、それに疑問符を投げかけている。
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