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パーソナルな神話 前世回帰の現場から
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生き方・教養
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助走としてのヒプノ(催眠)・セッション

『パーソナルな神話 前世回帰の現場から』
[著]松本東洋 [発行]PHP研究所


読了目安時間:19分
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〔最初のクライアント〕



 その年の夏が終わり、秋が訪れようとする頃、ハル氏はヒプノシス(催眠)の技法を習い覚えた。


 そこで早速、彼の奥さんであるオク氏相手に試したくなり、

突然ですが、あなたは自分の人格や習慣で変えたいところはありますか?」と尋ねた。

えーと、えーと……」オク氏は、いつも返事がおそい。


 ハル氏は自分のしたいことなので、忍耐強くじっと待つ。

えーと、……で、変わるの?」

たぶん」

それじぁね……朝、もっと早起きになりたいな」

なるほど」


 オク氏はいつも「私は1日10時間寝ないとダメ」と言っている。加えて「10時間寝ても、起きてから1時間は頭がボーッとしていて使いものにならない」と主張している。

判りました。で、どんな具合に目覚めたいのですか」

すっきりと。さっぱりと」

なるほど、その『すっきり、さっぱり』をもう少しくわしく言うと、どんなふうになりますか」

えーと……体の疲れがすっかり取れていて、とくに額の内側の疲れが無くなっていて……えーと、それから、『さあ、やるぞぉ!』という気分になっていることね」

判りました。で、何を『やる』のですか?」

えーと、明日の朝なら……(はた)()り。早朝から機織り、いいな!

その機織りですが、どんな気分で取り組みたいのでしょう? 元気いっぱいドンドンバリバリですか? それとも、あるいは……」

淡々と、静かにやりたいな」

普段はどんな気分でやっているの?」

えーとね……予定が気になっちゃうのよ。『今日中に、ここまで仕上げたい』とか『早くここまで織って、そのあと庭の草取りにかからなきゃ』とか、ね」

心が忙しいわけですね。ご苦労さまです」


 ハル氏は、覚えたての催眠技法を使ってオク氏をトランス状態に導き、そこで次のようなメッセージを語り聞かせた。

あなたは、今、夜の眠りから覚めました。まだ朝も早いようです。いつもより随分早く目覚めたのです。


 しかし、体の様子を感じてみると……すっきりしています。疲れはまったく残っていません。額の内側も、実に、さっぱりしています。体の中に新鮮なエネルギーが満ちているのが感じられます。


 新しい一日の始まりです。まず、いつものようにコーヒーを飲みましょう……そして、そのあと、機織りに取り組みます。あなたは、機織りの作業を淡々と、心静かに進めていきます。澄みきった、落ち着いた心で、機織り作業を進めていきます」


 その日は、それだけのことで終わった。


 そして、翌日、

あらま!」とハル氏の隣でオク氏の声がしたのが午前3時。


 カタカタシュンシュン……コーヒーを()れる音がし出したのが午前3時15分。

おはよう」ハル氏から声を掛ける。

あら、おはよう。起こしちゃったかしら」

いや、大丈夫。ところで、気分はどうですか?」

それが、すっきりさっぱりしているのよ」

額の内側は?」

疲れ無し! 目が覚めた時(まさかぁ?)と思って、もう一度眠るつもりだったのだけど、全然眠くないのよ。ヒプノって、効くのね」(くどいようですが、〔ヒプノシス〕は日本語で〔催眠〕と訳されています。良くない訳語です)

そのようですね」


 オク氏は、起きて機織りを始めた。ハル氏も起きて自室で書きものを始めた。


 しんと鎮まった闇の気配がようやく白みはじめ、新聞を配達する人のモーターバイクの音が聞こえてきた頃、ハル氏はオク氏の部屋に行き、一服しながら尋ねた。

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