政も、官も、民も不祥事大氾濫の時代だ。各メディアの記者やカメラの前で、いい大人が雁首揃えて、
「このたびは、ご迷惑をおかけして大変申し訳ございませんでした」
ほとんど毎日、とっかえひっかえテレビでこんなシーンを見かける。さまざまな謝罪会見を見ていて、「それは違うだろう」と思う共通点がある。
それは、記者会見場で責任者たちが異口同音に口にする「ご迷惑」という言葉だ。賞味期限を改ざんしても「ご迷惑」、下級牛をブランド牛と表示しても「ご迷惑」、中国産ウナギを愛知産とうたっても「ご迷惑」だ。彼らのやったことは、ご迷惑どころか「詐欺行為」であり、誰が何といおうと「不正」に違いない。