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「神社と神さま」がよくわかる本
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生き方・教養
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第5章 親しまれる神社の神事と祭礼

『「神社と神さま」がよくわかる本』
[著]島崎晋 [発行]PHP研究所


読了目安時間:21分
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神主(かんぬし)とはどんな人たちか



 神社で神事(しんじ)にたずさわる人を総称して神主、神職(しんしよく)などという。現存する史料のなかで最古の神主が登場するのは『古事記』の崇神(すじん)天皇の条である。

 崇神天皇の代、疫病が流行して亡国の危機がおとずれた。天皇が憂い嘆き、神託を得ようと、神牀(かむどこ)についたところ、夢に大物主神(おおものぬしのかみ)が現れ、「疫病の流行はわたしの意志による。意富多々泥古(おおたたねこ)という者にわたしをまつらせるなら、(たた)りはやみ、国も平安となろう」と告げた。

 天皇は早速、四方に使者を派遣して、意富多々泥古という者を探させた。やっとのことで見つけ出し、呼び出して出自を尋ねたところ、大物主神の子孫であることがわかった。意富多々泥古に大物主神の祭祀(さいし)をおこなわせたところ、疫病はたちまち終息した。

 このように、意富多々泥古こそ最古の神主と呼んでもよさそうだが、この例のごとく、古くは神主の職につくには血筋がものをいった。現代はごく一部の例外を除いて、そのようなことはない。

 神主というのはあくまで総称であって、職階上、一番上にくるのは宮司(ぐうじ)である。その下にあって、宮司を補佐するのが(ねぎ)である。大きな神社の場合、宮司と宜のあいだに(ごん)宮司が、宜の下に権宜がいるところもある。なお伊勢神宮だけは特殊で、祭主を頂点とし、(だい)宮司、(しよう)宮司、宜、権宜、宮掌(くじよう)とつづく職制がとられている。


巫女(みこ)の役割とは何か



 神主になるには資格が必要だが、巫女の場合はそれがない。現在の巫女は単に神社で奉仕する女性にすぎないからである。

 古代社会においては、巫女の役割は大きく違っていた。ひとつには、宮廷でおこなわれる御神楽(みかぐら)で重要な役割を果たしていた。その性格の起源をたどれば、またしても『古事記』にたどり着く。

 (あま)岩屋(いわや)事件のおり、天宇受売命(あめのうずめのみこと)という女神が、岩屋に籠もった天照大御神(あまてらすおおみかみ)をおびきだす役をつとめた。

 彼女の出で立ちはと見れば、天の香山(かぐやま)に生える日蔭蔓(ひかげのかずら)(たすき)にかけ、真拆(まさきのかずら)を蔓とし、天の香山の笹の葉を束ねて手に持って、逆さに置かれた桶の上に立ち、足踏み鳴らしながら忘我の状態になり、上は乳房をかきだし、下は陰部がちらちらのぞき見えるほど乱して、岩屋の前で踊りに没頭していた。八百万(やおよろず)の神々はそれを見て歓声をあげた。それを耳にして不思議に思った天照大御神が戸を少し開いたところを、さらに別の策略によって、外へ誘い出そうという計画だった。ここで天宇受売命が果たした役割は、忘我の状態になって、最高神を導きだすというものだった。

 だが、巫女の役割はそれだけではない。今度は『古事記』の仲哀(ちゆうあい)天皇の条をみれば、いまひとつの側面をみることができる。

 天皇が筑紫に出向いたある夜、天皇と神功(じんぐう)皇后と重臣の建内宿(たけしうちのすくね)の三人だけの席で、神降ろしの儀式をおこなっていたところ、皇后に神が降臨した。神託を求めたところ、神は皇后の口を通して言った。
「西の方角に国がある。金銀をはじめ、目のくらむような種々の珍しい宝物がたくさんある。われはいま、その国を従わせて与えようと思う」

 天皇がそれを真に受けずにいると、神は怒って、恐ろしいことを口にした。
「そもそも、この天下はおまえが治めるべき国ではない。おまえは一道(ひとみち)(黄泉国への一本道)に向かえばよい」

 果たして、天皇はその場で急死したのだった。

 この場面において神功皇后は神託の伝達者の役割を果たしている。
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