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(2021/11/26 追記)

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[新釈]養生訓
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くらし
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巻第八

『[新釈]養生訓』
[著]貝原益軒 [編訳]蓮村誠 [発行]PHP研究所


読了目安時間:29分
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養老

親を養う


 人の子であるなら、親を養う道を知らなくてはいけません。親のこころを楽しませ、親のこころにそむかずに、怒らせずに、心配をさせないようにします。季節ごとの寒暑に応じて、居室と寝室とを快適にし、飲食の味をよくし、誠実さをもって養うようにします。


 この巻では、まず親及び老人への接し方や生活の仕方を述べています。年を重ねた者は、若い者と違い、精神面においても、肉体面においても変化しています。そうしたことを踏まえて、親や老人を養う知識を説いています。

老人の養い方


 老人は、からだの気が衰え、腸胃が弱いです。いつも子どもを養うかのように、気をつけなくてはいけません。飲食の好ききらいをたずね、暑さ寒さがちょうどいいようにし、居室をきれいにして、風雨を防ぎ、冬は暖かく、夏は涼しくし、風・寒・暑・湿の邪気をじゅうぶんに防いで、おかされないようにし、いつもこころが安楽であるようにします。盗賊、水害、火事などの不意な異変があったときは、まず両親を驚かさないように早く助け出すべきです。異変にあって病気にならないように気をつけるべきです。老人は、驚くことによっても病気になります。用心しなくてはいけません。


 老人は、小児と同様に、元気が少なく、消化力が弱いために、じゅうぶんに養生して、予防しなくてはいけません。しかし、老人と小児では、生理機能のバランスは異なり、老人のほうがより気が乱れやすく、その意味から、風雨や温度変化などによってからだが害されやすいのです。

 アーユルヴェーダでは、人のからだの強さを四つにわけて考えます。誕生から十六歳までを小児とし、十六歳から三十歳までを青年とし、三十歳から六十歳までを壮年とし、六十歳以上を老年とします。小児はオージャスもまだ少なく、消化力も弱く、青年はオージャスも多く、消化力も強く、壮年はオージャスも多く、消化力がやや弱く、老年はオージャスが少なく、消化力が弱いとされています。

老人の養生の道


 老の身は、余命が長くないことを思って、若いときと違う心配をすることがあるでしょう。こころを静かに、雑事を少なくして、交際を少なくするのが、自分に合ったよいことです。これもまた、老人の気を養う道です。


 老人は、若いときよりも、さらに気が弱く、乱れやすいため、こころを静かにし、活動や人間関係を減らして、気をたくさんつかわないようにするべきです。

老後を楽しむ


 老後は、若いときよりも、一〇倍の速さで月日が経つので、一日を十日とし、十日を百日とし、一月を一年として楽しみ、むだに日を暮らしてはいけません。いつもときや日をおしむようにします。こころを静かに従容(しようよう)として残った月日を楽しみ、怒りをもたず、欲を少なくして、残っているからだを養うようにします。老後は、ただの一日でも楽しまずに虚しく過ごすのはおしむべきです。老後の一日は千金に値します。人の子たるもの、それをこころにかけずにいていいのでしょうか。


 年を取ると、活動量が減るため、一日にできることが少なくなり、そのため速くときが過ぎると感じます。それゆえ、益軒は老後こそ、一時、一時を大切にしなければならないと説いています。

老いては欲と怒りをおさえる


 いまの世の中では、年を取って子に養われている人が、若いときよりもかえって怒りっぽくなり、欲が深くなって子を責め、人をとがめて、晩年の節操をもたずに、こころを乱している人が大勢います。つつしみをもち、怒りと欲をおさえ、晩年の節度をたもち、物事にたいして忍耐ぶかくあり、子の不孝を責めず、いつも楽しんで残りの年月を送るべきです。これが、老後の境遇に適したよい生活です。孔子は、年老いて血気が衰えてきたら、ものを得ることを戒め給いました。聖人の言葉を、畏れ敬うべきです。世間では、若いときに、とてもつつしんでいる人がいます。そして、老後はかえって多欲となり、怒りやうらみが多くなって、晩年の節度を失う人が大勢います。気をつけなくてはいけません。子としては、このことを念頭において、父母が怒らないように、ふだんから考えて、気をつけるようにします。父母を怒らせるのは、子の大不孝です。また子として、自分の不孝を親にとがめられて、かえって親がもうろくしたと人にいうのは、最大の不孝です。不孝をして父母をうらむのは、悪人のすることです。


 老人になったときに、こころが静かで穏やかでいられるように、欲を多くもたず、日々を楽しめるようにすべきと書いています。若いときから、そのことを知って、過ごすように促しています。また、子として、親が穏やかでいられるようにすることの大切さを述べています。益軒は、老人としてのあり方を示しながら、それを若い人に伝えているのです。

元気をつつしむ


 老人の保養は、いつも元気をおしんで、気を減らさないようにするべきです。気息を静かにして、荒くならないようにします。話すときはゆっくりにして、速くしません。言葉も少なくして、立ち居振る舞い、歩行も静かにします。言葉を乱暴にして、早口で、声高に大きな声で話しません。怒らず、心配せずに、過去の人のあやまちをとがめないようにします。自分のあやまちを何度も悔いないようにします。
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