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さらば東京裁判史観
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歴史
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文庫版のためのまえがき

『さらば東京裁判史観』
[著]小堀桂一郎 [発行]PHP研究所


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 平成十三年春の政権担当者交代に関わる一連の経過は、政界の出来事としては近年稀なほどに広く世間の関心を集めた。新内閣の登場には一般の予想を遙かに越えた期待が寄せられたが、同時にあれほど世論の支持を失っていた前内閣が、退場を目前に控えた段階になって、実はなかなかに健闘したのではなかったか、といった認識も生じていた。

 それらは全て、現在我国が当面している様々の国民的課題に、新旧の内閣がどの様な姿勢で対処していたか、しようとしているかをめぐって議論が展開されていたわけである。

 第一に多年の懸案である憲法改正問題があり、教育基本法の見直しを含む教育改革を推進できるのか否かも問われている。民間から生じた教育改革の動きの一端である「新しい歴史教科書をつくる会」の中学校歴史・公民教科書の検定過程に又しても隣国からの内政干渉が発生したが、政府はこれをどう捌くのか。このことはやがて、近隣両国の唱える「歴史認識」共有の要求にどう対処するかにつながるのだが、政府は肚ができているのか。それは更に新しい総理が公約している八月十五日の靖国神社公式参拝の成否と密接に関わっている。果して決断・敢行できるか、等々の議論である。

 本書の著者もこの議論の輪に部分的に加わって発言したり、外から眺めたまま内心に意見を抱いたりしていたのであったが、それらの機会に気がついてみると、自分が言ったり考えたりしたことは、全てこれが初めての発案というわけではなく、もう何年も前から折にふれては筆にし口にしていたことの反復・再言にすぎないのだった。例えば現憲法に於ける「主権在民」の発想などは占領軍の当座の思惑に由来する虚妄に他ならぬこと、「教育基本法」の強要と「教育勅語」の排除という重大な過誤こそが現今の教育荒廃の最大の元凶なのだということ、これらは仮に今又発言の機会を与えられるとしたら、結局本書に述べておいたことをそのまま繰返して公言するより他ない、というのが著者の正直な感慨である。

 そんな感想が念頭に去来していた時、本書の単行本としての刊行(平成四年一月)当時の担当者大久保龍也氏が、これを文庫本として再刊しようとの案を提起して来られた。これは著者にとって有難いお話であった。即ち内容については一切変更を加えることなく再度世に問うてみたい、との自惚れはあるものの、単行本として出した時の本書には誤植(誤記も若干)が甚だ多く、著者としてこのまま放置するのはいかにも恥ずかしいとの忸怩たる思いを抑えられなかったからである。誤植多発の原因は著者の原稿の歴史的仮名遣にもあったらしいので、今回は文庫本の方針に従って典拠の引用文以外の地の文は現代表記に改めて印刷した。又十年の歳月を間に置いての再刊であるので、年度・年数とそれに連関する事情の表示は現在時点からの視角に褄を合せたし、初版時のあまりに生硬な表現や不適当な字遣は書き改めたが、論旨に関しては全て単行本の時の形のままである。

 表題は、初版時は『さらば、敗戦国史観。』という句読点付きの表記が一寸特異であったが、「敗戦国史観」よりも「東京裁判史観」という広く通用している呼び方の方が内容に対しより直截的であると考えて斯う改題した。

平成十三年六月中浣
著者 
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